堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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法律相談Q&A~堺総合法律事務所

「定期借家契約への切り替えを求められたら?」

(7月5日付)

Q「ビルの1階店舗を借りて洋品店を経営しています。この度、ビルのオーナーが代わり、新しいオーナーから『契約書を書き換えてくれ』と言われ、契約期間1年の『定期建物賃貸借契約書』という書面を持ってきたのですが、サインして問題ないでしょうか?」

A「これまでの契約書は持ってきていますか?」

Q「持ってきています。契約期間は1年ですが、『定期』という言葉は入っていません」

A「普通の建物賃貸借契約は更新されるのが原則で、家主からの更新拒絶には厳格な制限があります。ところが、定期建物賃貸借契約では、契約は更新されず、期間満了で無条件に明け渡さなければなりません。立退料もありません。借主にとって不利な契約です。ですから、サインしないほうが良いです」

Q「家主が代わったのなら、契約書を作らないとまずいのでは?」

A「家主が代わっても従前の契約がそのまま引き継がれます。契約内容を明確にするために、改めて契約書を作ることもありますが、絶対必要というわけではありません。納得できない条項が入っているならサインを拒否しましょう」

Q「となりの花屋さんは、もう定期建物賃貸借契約にサインしてしまったそうです。もう手遅れでしょうか?20年前からずっと頑張ってきたのに」

A「平成12年2月28日以前に締結した建物賃貸借契約を更新する場合には定期建物賃貸借契約の適用はありません。その花屋さんは20年前から契約しているのですから、例え、定期建物賃貸借契約と書かれていても、その部分は無効です。なお、平成12年3月1日以降でも、契約書と別に定期建物賃貸借であることを説明した書面を交付するなどの手続が必要です。事情によって、定期建物賃貸借契約が無効と判断される場合もあります。契約書にサインする前に弁護士に相談するのが一番ですが、もしサインしてしまった場合でも、すぐに諦めずに弁護士に相談してみてください」

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