労働者派遣法「改正」法案のさらなる
骨抜きに抗議し、抜本改正を求める
全労連は11月19~21日の3日間、静岡県浜松市で向こう10年間の運動と組織について議論する「全国集会」を開催しました。この集会では、労働者派遣法「改正」法案に関して、緊急決議を採択し、民主・自民・公明の「3党合意」即時撤回を求めています。
【緊急決議(ばっすい)は以下のとおりです。】
民主党と自民・公明の3党は、労働者派遣法「改正」法案の大幅修正で合意し、今国会に修正法案を緊急提出する手続きを開始したと報じられている。修正の内容は、(1)登録型派遣と製造業への派遣の「原則禁止」規定の削除、(2)日雇派遣の原則禁止の緩和(①日々または2ヶ月以内の派遣禁止から日々または1ヶ月以内の派遣禁止への変更、②禁止の例外に「雇用機会の確保が特に困難な場合」等を追加)、(3)違法派遣の場合の「労働契約申込みみなし規定」は法施行から3年経過後に延期、などであり、大幅な後退、法案のさらなる骨抜きである。
現行の政府「改正」法案ですら、「原則禁止」と言いながら大穴があいていることなど、さまざまな問題点が指摘されてきたが、今回の3党合意は、登録型派遣や製造業派遣の「原則禁止」という法「改正」の看板そのものを投げ捨てるものである。リーマン・ショックに端を発した派遣切りの嵐や「派遣村」の教訓を踏みにじり、「労働者はモノではない。使い捨て止めよ」「貧困と格差を解消し、ワーキング・プアなくせ」という、政権交代に託した労働者・国民の強い願いに逆行する暴挙である。
修正理由については、「震災後の厳しい雇用情勢のなかで規制強化は雇用をかえって悪化させる」とか、「継続審議のままで何も変わらないよりは、一歩でも前に進めるべき」「早く派遣法をあげ、有期労働法制やパート労働法の改正に進むべき」などということが言われている。しかし、私たちはこれらの言い訳には同意できない。
私たちは、労働者派遣法「改正」法案のいっそうの骨抜きを策す今回の動きに満身の怒りをもって抗議する。そして、3党合意を即時撤回し、被災者や派遣など非正規労働者が置かれている厳しい実態論議をつくし、労働者派遣法の早期抜本改正をおこなうよう強く求める。