感染拡大の兆候を見逃す恐れも(7月17日付)
吉村大阪府知事肝いりで始まった「大阪モデル」が、この間基準緩和を繰り返しています。
堺でも感染拡大防止が喫緊の課題となる中、果たして指標となりえるのでしょうか。
堺市では7月15日、新型コロナ新規感染者が6人判明。堺シグナルがステージ3に移行しました。
位置付けも基準も修正
感染拡大防止が喫緊の課題となる中、大阪府は7月3日の対策本部会議を開催。専門家から「第1波の際は病床使用率30%でも医療現場は多忙を極めた」と懸念の声も上がりましたが、これまで休業・外出自粛要請基準としていた大阪モデルの位置付けそのものを「府民に行動の変化を促す基準」と変更するとともに、全ての基準を緩和。府民に注意喚起する「黄信号」を点灯しにくくしました。
背景には政治判断
背景には、経済活動や、大阪市廃止を問う住民投票への影響を抑えたいとの政治的思惑が指摘されています。
松井大阪市長は13日、「確実に赤(信号)が見える状況なのか。そのときの状況によります」と、住民投票実施に固執する姿勢を改めて示しました。
15日現在、国基準(10万人あたり2・5人)では、東京8・74人に対し、大阪1・82人と、基準を下回っています。しかし、科学ではなく政治判断で基準緩和が繰り返された現行大阪モデルでは、府民の行動変化が遅れ、感染拡大の兆候を見逃す恐れがあります。
第2波の懸念が拡大しつつある現在、政治判断で基準緩和を繰り返すよりも、外出自粛・休業要請と一体に補償を行うよう、改めて政府へ求める「政治家の行動変容」が求められているのではないでしょうか。