堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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さかい未来づくりサロン 神山視察③

M・Kさん(4月10日付)

移住者の絶えない

神山町に学ぶ

 地方の過疎化が進む中、徳島県にある人口約5000人の町・神山町への移住者が増加している。なぜ神山には人が集まってくるのか?

「誰でもいいから来てほしい」、これでは人は定着しない。「その人は神山にとって来てほしい人材か」「その人が必要としている環境が神山にあるか」を考慮したうえで移住者を受け入れているからこそ、人口増加につながっているのだ。

 では、どんな人たちが神山に集まって来ているのか。視察での訪問先を中心に紹介していく。

パン屋やカフェ、ビストロ、靴屋惣菜店など

を営みたい人が

神山に移住して開業

 まちの将来に必要な働き手を逆指名する「ワークインレジデンス」を展開。空き家紹介時に「この物件ではパン屋を経営してください」などと指定し、来てほしい人材を限定することで移住希望者とのマッチングを図っている。

16社のIT・映像・デザイン企業が神山にサテラ

イトオフィスを開設

 町内全域に高速ブロードバント網を整備することで、IT系企業の進出が可能に。無機質なオフィスではなく、豊かな自然環境で仕事ができる。

 クリエイターや企業がお試し滞在できるオフィス兼住居「オフィスイン神山」には、阿波銀行徳島大学も入居している。

職業訓練「神山塾」の

修了生が神山に移住

 関東出身の若者を中心に6ヶ月間の職業訓練を実施。修了生の50%が神山に移住し、前述のサテライトオフィスなどに就職している。視察時に町内を案内してくださったNPO法人グリーンバレーのスタッフや、宿泊施設で料理を振る舞ってくださったシェフも神山塾修了生だ。

アーティストの

滞在・移住

 国内外のアーティストが神山に滞在しながらアート作品を製作するプロジェクト「アーティストインレジデンス」。これをきっかけに移住する外国人も現れている。

 訪問時は、スピーカーを大量に使った作品「カラオケ鳥居」が異彩を放っていた。Bluetoothを使って自由に音楽を流せるので、演歌を流しながら農作業をしている方もおられるのだとか。

 最後に、今回宿泊したゲストハウス「WEEK神山」を紹介したい。

「いつもの職場を離れて、1週間(WEEK)ほど神山で寝泊りしながら仕事ができるように」と誕生したWEEK神山。オーナー・南さんの幼い頃からの思い出が詰まった家が、リノベーションを経て生まれ変わったお宿だ。

 南さんは私たちを暖かく迎えてくださり、皆で夕食を囲みながら神山のことを沢山教えてくださった。

 翌朝はラジオ体操をしたあと、滝を見に近くの山へ。山の向こう側から差す朝日がとてもきれいで、帰るのが名残惜しく感じた。次回はコンセプトにちなんで1週間ほど滞在してみたい。

 これまで紹介したように、神山には豊かな自然の中で快適に働ける基盤がある。そして、この環境にぴったり合う人をマッチングしているからこそ移住者が後を絶たないのだろう。堺は人口規模や都心部までの距離など異なる点も多いが、堺にとっても重要な移住促進や雇用創出について、じっくり考えられる貴重な機会となった。