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参議院選挙の争点① 働くルールの確立と日本経済の再生を

6月27日付

今回の参院選では、憲法違反の安保法制(戦争法)の強行で危機に陥った立憲主義と民主主義、平和主義を取り戻すとともに、働くルールの確立と日本経済の再生を図ることが求められています。

トリクルダウン論は破たん

 アベノミクスによって、大企業は空前の利益を上げ、3年間で内部留保を40兆円以上積み増し、300兆円を超えています。

 安倍首相は、企業がもうかれば労働者の雇用や賃金も改善するという「トリクルダウン論」を口にしてきましたが、雇用や暮らしは厳しくなるばかりです。実際には、非正規雇用が増え、実質賃金は3年余で3ポイントも低下、トリクルダウン論の破たんは明らかです。

働くルールで野党共同

 このような中、戦争法の廃止だけではなく、残業時間の上限規制を盛り込んだ労働基準法改正案、介護職員や保育士の処遇改善を求める法案など15本の共同法案を4野党(民進党共産党、生活の党、社民党)が提出するなど、雇用や労働者の処遇改善も含めた共同が広がっています。

 日本はEU諸国と違い、賃金や労働時間などで社会的な拘束力を持った全国的・産業別労働協約がなく、大企業がサービス残業長時間労働を強制するなどEUでは考えられない横暴がまかり通っています。この状況を変えるには働くルールを国の法律として確立することが重要です。  長時間労働を規制する労働基準法改正、サービス残業をなくすための法律、全国一律最低賃金制、時給1500円実現、非正規労働者を正社員にするルールの整備などを実現することで「働き方」を根本から変える必要があります。

経済再生にも効果

 このことは、労働者の雇用と暮らしを守るだけでなく、日本経済の現状を打開することにもつながります。

 労働総研の試算によると、「働くルールの確立(サービス残業根絶、有給休暇の完全取得、週休2日制完全実施)」を実現すれば、GDP(≒付加価値誘発額)を8・7兆円押し上げ、同様に非正規雇用の正規化は7・3兆円、最賃時給1500円は3・1兆円で、日本のGDPが490兆円とすれば、3・4%も押し上げる効果があります。これに必要な財源は31兆円で、日本企業全体の内部留保は543・1兆円(うち大企業は300兆円)ですから、その5・7%を活用すれば実現できます。

 今回の参院選は、人間らしく働くルールの確立で日本経済の民主的な再生をすすめるチャンスです。