堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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連載・阪神淡路大震災から20年⑪

人のつながりと次世代への継承

(1月29日付)

「つながる大事さ」

 大震災から丸20年の1月17日、香櫨園校区を含む浜脇中学校にお邪魔しました。同校区は大震災以降毎年この日に「地域ふれあい活動」に取り組みます。地域と子ども、学校のトライアングルのつながり、支え合いの大事さを伝えるためです。

 自治連合会長の宮下さんは「(取組みを通じて)誰かを支える大人になってほしい」と体育館に集合した子どもたちに呼びかけ、校長先生は「皆さんは生まれていませんでしたが、6434名もの人が、浜脇中も6名の生徒が亡くなった震災が20年前に起こりました。・・・私たちは助け合うことも学びました。ふれあい活動は地域の方々との助け合いを大事にしようと当時の生徒会が清掃活動などを始め、今まで続いています。」と強調。

「震災から20年 これからを考える」と題し、米山清美さん(認定NPO法人日本災害救援ボランティアネットワーク理事)が講演、「震災後、西宮の子どもたちといろいろなところへ行き、今もそこの人たちとつながっている。つながることの大事さを覚えていて。東日本をはじめ被災地に関心を持ち、知ったことを伝えてほしい。」と訴えました。

「話だけでは身につかない」

 その後、香櫨園小学校では、中学生を対象とした救命講習会が自治会主催で行われました。

「話を聞くだけでは身につかない。いざという時のために実際やってもらうことが大事」と準備してきた副会長の安田さん。元浜脇中PTA会長の竹中さんも応援に来られました。

 講習は6名の救命指導員のもと、班にわかれて、心肺蘇生法とAEDの使用方法について一人ひとり指導を受けて実演。慣れない「訓練」にしっかりと向き合う子どもたちに心の中で声援を送りました。

 大震災から20年。 取材を通して、街並みや住宅の復興は進んでいるものの、借り上げ住宅や経験の継承など課題は残っており、真の「復興」はなお途上にあると感じました。そして次の災害にどう備えるか、万一起こったときに大事なことは何か、を当時経験した人たちが工夫しながら子どもや若者たちに継承しようとする姿勢と責任感に、強く共感しました。

 また初動、救助、避難、復旧などの対策や防災体制の持続など行政・地域(市民)の協働の中で問い直し続ける粘り強い取組みが大事だと感じました。