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「図書館と地方自治」

鳥取県知事・片山さん講演に450人

(11月19日付)

 15日、講演会「図書館と地方自治」が市立女性センターで開催され、約450人が参加しました。

 講演に先立ち、竹山市長、大毛議長、山口市議があいさつ、超党派の府市議会議員も参加されました。

 講師は、慶応義塾大学教授の片山義博氏。鳥取県知事や総務大臣の経験から「地方自治のあり方」「住民に身近な図書館」について語られました。

 片山氏は、「知事時代、図書館・学校図書館行政に力を入れてきたが、当初は議会からなかなか理解されなかった。図書館は知的活動の発信地・知的財産であることを語るなかで理解が広がり、3年で94%の学校に司書を配置した。

 地方自治はライフワークだと思っている。市町村が地方自治の最前線だ。市長と議会という二元代表制で重要なことが決まるし、図書館のことも決まる。

 指定管理者や委託は図書館に馴染まない。企業がやり、見栄えは良くなるかもしれないが、外資系の喫茶店に儲けさせ、本屋と図書館をくっつけることが自治体の仕事なのか。 今、地方で深刻なのは若者の働く場の確保。町には昔ながらの素敵な喫茶店がある。現地は細切れの非正規雇用が増え、本社は東京。(地方が)自ら下請けに入るようなもの。町の本屋さんも太刀打ちできず倒れ、教育の低下につながる。目先の学力テストの点数だけでなく、施策との連関をみることが必要。

 図書館を活用して放課後児童対策事業、歯磨き指導、マタニティ教室を行うなど、新しい図書館づくりを考えてはどうか。市民・利用者の要求と資料(蔵書)を結びつけるのが司書の仕事。「図書館はそんなところではない」という意見もあるだろうが、みんなが集まれる場所ととらえることが大事ではないか。

 地方自治は民主主義の基本で、日常的に市民が意見を述べることが出来るかどうかが重要」と締めくくられました。

 6人の子育て経験や障害を持つ女子中学生とのエピソードなど、人間味あふれるお話もお聴きできた有意義な講演でした。