堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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第18回おおさか自治体学校報告②

 桜田照雄・阪南大学教授が「カジノで地域経済再生はありえない」と題して特別報告しました。

(9月17日付)

 政府は何で国民を食べさせてゆくのか。高度成長時代は重工業だった。鉄鋼では日本のレベルが高かったけれど、新日鉄が技術を世界に公開したために、韓国や中国が自動車や造船ができるようになった。では、薬でゆくかというと、武田薬品でも世界的に見ると中小企業であり、政府はまだ成長産業を見いだせていない状況である。

 オーストラリア人がニセコの雪質がいいということで多く来る、ヨーロッパからも来るということで観光がいけるのではないか。またカジノはラスベガスが落ちてきたが、IR(統合型リゾート)のシンガポールが成功した。政府はこれがいけるのではないかと。

 なぜ、カジノがベイエリアかいえば、大阪市内だと地権者が多く、手間とお金がかかるからである。

 カジノ収益は、賭金から客の取り分を引いた分で、客の負け分(粗利)。そこから、「国への交付金」「カジノ運営会社への運営費」「カジノ事業経費(原価)」「減価償却費(建物)・支払利息」「租税公課」「地方団体の収益」を差し引いたものが利益。

 カジノが確実に儲かるのは確率の世界だからである。ルーレットだと38個所に張って36倍の配当があるので、賭金の大小にかかわらず、張り客には36/38=約95%が払戻され、残り約5%がカジノの取り分となる。2兆円売り上げれば、1000億円が利益となる。自治体としては、毎年100億円の税収が期待できるからほしい。お客が来れば必ず儲かるので、お客を連れてくる業者と利益を折半している状況だ。

なぜカジノを認めてはならないのか

 最高裁判決は、賭博と幸福追求権について、賭博は勤労の美風を害する、暴行など犯罪を誘発し、また国民経済の機能に重大な障害を与える恐れすらある。したがって、新憲法の公共の福祉に反するものといわなければならないと断じている。

 他人の不幸のうえに自らの幸福を築くことをしてはならない。いまでも薬物、スマホなど依存症問題が多い中で、さらにギャンブル依存症をつくってはならないし、賭博による税収確保をおこなってはならないと結論した。

 おおさか自治体学校は、市民団体が実行委員会をつくり、大阪自治体問題研究所が事務局です。

 大阪自治体問題研究所では、ただいま会員募集中です。会費月1000円、月刊誌『住民と自治』『おおさかの住民と自治』代を含みます。