堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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『堺はひとつ』で都構想・維新に審判を⑥

大阪市役所労働組合・中山さんの講演より

(9月9日付)

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職場の閉塞感の強まりとモチベーションの低下

 本年4月に大阪府市大都市局が新設され、大阪市の解体作業が急速にすすんでいます。

 職員にとって職場が今後民営化されるのか存続そのものが不透明な中で不安感が増しているのに加え、賃金・労働条件が異常な内容・スピードで改悪されており、職員のモチベーションの低下は著しくなっています。職場では「辞められるのであればいつでも辞めたい」「宝くじあたったら直ぐに辞めるわ」などという会話が交わされています。

 事実、本年3月末での退職者は全体の5%、1100名の職員が退職したのですが、早期退職は600名を超えました。橋下市長就任以後でみると2000名を超える職員が職場を去っています。その結果、職場では正規職員は欠員状態になるとともに仕事を教える先輩が居らず、「職場崩壊」があちらこちらで起こっています。職場の閉塞感は頂点に達しているのが現実です。

「市政改革プラン」による市民生活への破壊攻撃

 これまで述べてきたような職員への統制の強化と労働条件の徹底した切り下げは市民サービスを切り捨てる露払いとして先行されてきました。案の状「市政改革プラン」として住民サービスの切捨て、負担増が実行されています。

 その中には「だまされないでください」と書いた維新の会のビラに「町会はなくしません」「敬老パスはなくしません」と大書きしていたのに、町会への補助金を廃止し、敬老パスは有料化など明らかに公約違反を実践しているものがあります。

 とりわけ、市民(とりわけお年寄りや障害者などの弱者)の足として利用されていた福祉巡回バスが今年4月に廃止され、買い物にも行けなくなるという市民の怒りが起こっています。さらに、住吉市民病院を廃止し府立病院と統合するという問題では住吉区住之江区西成区の住民から7万筆の存続を求める署名が出されました。住吉区西成区にはお産が出来る公立病院が消滅するという危機感から大きな反対運動が盛り上がったのですが廃止を決定したのです。その際に橋下市長は反対意見に対して「ミクロな意見だ」と言い放ったのです。いったいどんな感覚なのでしょう。

橋下市長の人権感覚を示した従軍慰安婦、風俗活用発言

 今年の5月13日に橋下市長は新聞記者の質問に答え「慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる」と言い、問われもしないのに在沖縄米軍司令官に「風俗の活用」をすすめたと発言しました。これに批判が殺到すると「マスコミの大誤報」と繰り返すとともに、5月26日には「私の認識と見解」を出し、外国人記者クラブの記者会見でこの見解を繰り返しています。

 そこには「私は、21世紀の人類が到達した普遍的価値、すなわち、基本的人権、自由と平等、民主主義の理念を最も重視しています。(略)極めてオーソドックスな立憲主義の立場を採る者です。(略)私は、疑問の余地なく、女性の尊厳を大切にしています」などと記載されていますが、いったい誰がこんな戯言を信用するのでしょう。

 このような発言を橋下市長が敢えて行ったのは自民党の政治家が海外の世論を気にして本音を言えない状況の中で、自分が突破口を切り開くという意図があったのだと思われます。5月29日の記者会見で橋下市長が「今後のいわゆる外交戦争で日本は負けっぱなしになる。言うべきことを言う姿勢は絶対に必要」と発言していたことは自民党の政治家や右傾化する世論にアッピールしたものでしょう。

 しかし、本人のねらいに反して国内外からの批判にさらされ、吉井義明中央大学教授から公開質問状を出され、まともに回答できない状態に追い込まれています。

堺市に「橋下改革」「大阪都構想」は絶対持ち込ませてはならない

 橋下市長は7月の参議院選挙の第一声をなんば駅頭で行いましたが、冒頭「日本全国でここまで公務員改革がすすんでいるのは大阪以外にありません。職員の給料だって全国最低レベル。職員数だってどんどん削っていく」と切り出しています。

 公務員バッシングが橋下市長の支持獲得の最大のネタなのでしょう。

 このような市政を堺市に持ち込ませては絶対になりません。

 「大阪都構想」による「特別区」への再編をいわゆる機構改革とみることは間違いです。橋下市長は保育所や幼稚園の民営化推進の意味を問われ「資本主義ですから」と答弁しています。軍事力や警察力以外は基本的にすべて民間で行えばいいという徹底した市場原理主義をとっている人物ですから、堺市役所の解体は解消・消滅を意味すると考えるべきです。維新の会に勝利するためみなさんがんばりましょう。

(完)