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大阪地方自治研集会報告

役所の役割って何だろう(10月25日付)

10月22日、「私たちの地方自治体(役所)って、なに」をメインテーマに、第20回大阪地方自治研究会が、福島区民センターで開催されました。(立命館大学教授の森裕之先生の記念講演の大要をリポートします。)

 「自治体行政とは何か。人間は共同で暮らし、それを未来へ伝承していく動物。共同体(コミュニティ)が成り立つ根源は『仲間意識』であり、それは損得勘定を抜きにして互いに自治体に行為できる関係性である」。

 「共同体が何か決まり事をつくれば、その影響は一人一人の成員に対して異なったものとしてあらわれてくる。『仲間意識』があれば、自分以外の他の成員がどのような影響を被るのかを斟酌する、または少なくともそれが気にかかる。家族を思いやるように、隣近所のおじいちゃんや子どもたちのことを考える心をもつことが必要」。

 「住民の集まりである共同体を維持・発展させるためには、自治体行政・政治はたえず『仲間意識』を体現しておかなければならない。住民間の対立を呼び起こし、『仲間意識』を破壊する行為(『自分さえよければ』とか『誰かのために税金を使うのは無駄』という発想)は自治体行政・政治として承認できない」。

 「地方自治の先進事例として紹介したいのが、長野県飯田市の実践。環境省補助金の認可を契機にして、防犯灯の入れ替えに既製品のLEDを導入するとたいへんな財政負担になることが判明。自治体が地元の企業群に仕事を提示。地元の企業が会社の垣根を越えて、安価なオリジナルのLEDを開発。市内の防犯灯の半分(約3000基)をLED化した。さらに、関東圏の自治体から飯田市の企業のLEDに発注が入るという効果も生まれている」。