堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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はたらくものの権利で「市場主義」とたたかう

労働者の団結権③(12月9日付)

20世紀憲法―国家が積極的に団結権、労働権を保障した

 労働組合が一定程度、認められた後も、たとえばアメリカでは「自由競争を制限する行為」として労働組合活動が制約を受けました。労働者の団結は独占禁止法違反というわけです。そして、労働者の団結や争議はしばしば、民事や刑事責任を問われ、妨害されました。しかし、こうした妨害の下でも労働組合は活動をあきらめず、そのたたかいを継続し、広げていきました。

 1929年に起きた世界的な大恐慌で失業が広がり、自由競争の矛盾が一気に噴き出したアメリカでは、ニューディール政策の一環として労働組合に対する国家的積極的役割を認め、「不当労働行為制度」を制定しました。1935年のワグナー法(全国労働関係法)です。労働者、労働組合の、長い、粘り強いたたかいの中で、労働者の団結する権利(自由)が国家によって積極的に認められたのです。ワグナー法はさらに、国家が労働組合の保護育成をはかることを目的としました。

 このように、労働者の長いたたかいの末に、ようやく勝ちとられた労働基本権。その権利の中核は労働組合をつくる権利、すなわち団結権です。現実に起きている問題点を改善する労働者の運動こそが法律をつくる力でした。憲法で労働権を定め、契約も制約する「労働基準法」などの法律を生み出したのです。

 日本の労働法の源泉は日本国憲法が規定する「労働権」(27条)と「団結権」(28条)の規定です。労働権はその誕生の時から「国民の不断の努力」(12条)によって保持し、さらに進歩させなければならない権利なのです。

【おわり】