堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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今年度時間外勤務の状況が報告される

時間外実態重視し、適切な人員確保を とりわけ時間外協定対象外職場が深刻

(3月16日付)

 2月23日、厚生労働省は「過重労働解消キャンペーン」重点監督実施結果の取りまとめを発表。堺市でも時間外勤務の縮減は喫緊の課題です。

 今回の重点監督は、労働基準関係法令の違反が疑われる5031事業場に対して集中的に実施したものです。

劣悪・違法な実態

 その結果、3718事業場で労働基準関係法令違反を確認したほか、約半数にあたる2311事業場で違法な時間外労働が認められたため、それらの事業場に対して、是正に向けた指導を行いました。このうち、最も長い労働者の時間数が月100時間を超えるものは799事業場(34・6%)でした。製造業、運輸交通業、商業、保健衛生業など分類された業種別にみてもいずれも高い割合で、全般的に劣悪・違法な状況にあることが伺えます。

100時間超は過労死

 発症前1か月の時間外が100時間を超えれば「過労死」と認められる場合があります。3分の1を超える職場で過労死の危険が迫っている状況もさることながら、「時間外労働を労働基準法36条に基づく協定締結・届出なく命令していた」「タイムカードによる退勤と時間外勤務手当に相違があった」「割増賃金が適正に支払われていなかった」という実態が報告されました。

労基法、遵守されず

 労働基準法は、週40時間を超えて労働させてはならない(第32条)と定められ、例外的にいわゆる「36(サブロク)協定」を締結した場合に、時間外勤務命令が認められています。それをうけ「時間外勤務を行う際に労働組合や労働者団体との協定締結義務」、「時間外勤務に対する賃金割増」、「安全、衛生委員会の設置義務」等労働者を保護するための様々な義務が課されているにも関わらず、多くの事業場で遵守されていないのが現状です。

公務時間外の拡大解釈

 さらに同法が使用者側によって都合よく拡大解釈される場合が、特に公務員に対する条文にあります。同法第33条は「災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等」についての記載であるにも関わらず、同条第3項「公務のために臨時の必要がある場合においては、(中略)労働時間を延長し、又は第三十五条の休日に労働させることができる」が日常業務にも適用され、36協定締結対象外職場として時間外勤務命令が常態化しており、それは堺市役所でも例外ではありません。

長時間残業が継続

 昨月、当局から今年度4月から1月までの時間外勤務実績が示されました(部相当組織別の補佐級以下)。市平均(選挙事務除く、消防職員除く)では昨年同時期よりやや少ないものの、今年度2回の選挙が実施されたことを踏まえればほぼ同水準と思われます。また市役所内でも36協定締結対象・対象外職場で分類すると、圧倒的に協定対象外職場で時間外が多く、平均500時間を超過している職場もあり、根本的な人員不足が伺えます。

 当局は「要員管理方針」に沿ってH31年度まで人員削減を継続する計画ですが、職場の状況を重視し、適切な人員を確保すべきです。