堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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さかい未来づくりサロンvol.7 農業で実践 美味しく楽しい地域づくり

さかい未来づくりサロンvol.7

満場で大盛況(9月1日付)

 8月24日、「さかい未来づくりサロン」VOL7を開催しました。参加者は満場の72名(庁内35名、庁外37名)。テーマを「農業」として、泉佐野市で大阪府唯一のブランド豚「犬鳴豚」を生産する川上寛幸さん(関紀産業)と、堺市唯一の養鶏場「ヨシダファーム」を営む吉田妙子さんを講師にお迎えしました。また、今回の会場は本庁食堂「森のキッチン」。両ブランドの試食をしながら、グループディスカッションを行いました。

川上寛幸さん

 現在、大阪府における養豚畜産業者は7件。50年程前は100件以上ありましたが、高度経済成長に伴う人口増加、都市開発が進み、都市近郊の畜産業は「迷惑産業」というレッテルを余儀なくされ(主な要因は臭い)、廃業が相次ぎました。川上さんは何とかこの「迷惑」を地域にとって「必要」に変えたいとおっしゃいます。

 川上さんは地域活性化のコンテンツとして、「泉佐野酒蔵BBQ」を主催されています。H24年から始め、9月13日の開催で第33回となります。

 酒蔵を会場に、肉や野菜、米、タレ、酒など、地域の生産者で集まり、運営しています(チームと呼んでいる)。共通の目的としての地域活性化を掲げつつ、それを通して「商品を知ってもらいたい」「メディアに取り上げてもらいたい」「農業を身近に感じてもらいたい」といった個々の効果を見込んでいるからこそ、企画自体は儲けがほとんどないものの「目立つこと」「楽しいこと」を最優先として続けています。

 生産者同士のコラボレーションでここでしか食べられない物を提供したり、他の地域からゲスト生産者を迎え(京都府の茶農家など)、参加者に今まで知らなかった食材を味わってもらう。イベンターではなく、生産者の集まりという特色を活かした深いトーク。伝統の木造酒蔵でバーベキューができるという異空間の体験など、独自性により、参加者に付加価値を見出してもらっています。

 プロモーションはSNSを使い、「楽しいこと」を意識した発信を心掛けています。参加者の口コミやSNSから「楽しそう」が拡がり、知り合いが知り合いを連れて来る。「私は楽しいことを知っていて、それを友だちに喋りたいという状況が理想」とのこと。

 川上さんは目標をこうおっしゃいます。「中小零細企業でもカッコイイ、こういうことができるんだと思ってもらいたい。それによって集客も増え、農業の担い手も現れるのでは。ひいては地域活性化に繋がる。泉佐野酒蔵BBQの規模を今以上に拡げることは難しいが、自分もこういうことがやりたいと思う人が全国に拡がっていけば、農業の見られ方も変わってくるのでは」。

吉田妙子さん

 堺市大阪府における農業生産高第1位ですが、畜産業については都市近郊の宿命よろしく、減少の一途を辿ってきました。養鶏はヨシダファームが唯一となっています。

 ヨシダファームはH24年に開業。それまでは八尾市で養鶏場を営んでいました。当初は、初めての土地で知り合いもおらず、生産者の集まりは男性ばかりで年齢層も違い、馴染めずにいましたが、セミナーや大阪府での生産者の集まりなどに足繁く通い、同じような女性生産者や川上さんとも知り合い、様々な人脈を築いていきました。

 また、他の生産者と知り合う中で「使わない果物があるよ」と提供されるようになり、それらを加工し、鶏の体に良い独自の餌を開発しました。

 そんな中、堺市でデザイン事務所を営む樋口恵介さん(さかい未来づくりサロンVOL2の講師)と知り合いました。樋口さんは堺市シティプロモーション認定事業として「&RICE」という堺市の食を発信するウェブサイトを運営されており、そこで紹介されたのが転機となります。それ以降、堺市の事業者から声が掛かるようになり、様々なイベントにも出店するようになりました。

 現在では、障害者、ひきこもりの雇用支援を行う事業者が開発したケーキに、堺市唯一の酒蔵の酒かすとともに堺市唯一のブランド卵を提供し、メディアにも取り上げられています。

次回もよろしくね

 その後の交流会でも新たな繋がりが生まれ、そこから様々な企画が生まれていくのではと思います。

 次回もご期待を!