堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

堺市職労(堺市職員労働組合)ブログです。

消える残業代?=「残業代ゼロ」法案

企業の人件費削減に絶大効果!?

(4月13日付)

 安倍政権が今国会に提出している労働基準法改悪案は、「残業代ゼロ」で無制限の長時間労働を促進するものです。1日8時間・週40時間の労働時間規制が適用されない「高度プロフェッショナル制度」を創設するとしています。

えっ!残業代が消える?

 安倍首相は制度導入の理由について「海外とのやり取りを含めて夜遅くなることが続く、あるいは研究職において研究開発がまさに佳境に至ったところにおいて、成果をあげていくために、ある程度のフレックスな時間にしていく」(衆院予算委員会)とのべています。

 残業代ゼロは、年収が一般労働者の平均年収の3倍以上(省令で1075万円以上と定める)が要件となっていますが、この労働者が深夜割増賃金などが必要となる「夜遅く」まで働いているとすれば、残業代は年間1000万円を超える、という試算もあります。この残業代を支払わなくてすめば、企業にとって人件費削減に絶大な効果があると言えます。

 また、年収1075万円以下の労働者の場合でも、相当額の残業代を支払っている場合、年収を1075万円に引上げて「高度プロフェッショナル」に昇任させて、残業代を出さずに長時間労働をさせたほうが企業にとっては得、ということになりかねません。

ホンネは対象拡大(みんなゼロ?)

 国税庁の民間給与実態調査(給料・手当及び賞与の合計額から計算)によると、年収600万円以上の労働者は18・1%です。政府は、年収1000万円以上は3・9%で対象はごく一部といいますが、いったん導入されたら年収要件が下げられる危険性もあり、労働者全体にかかわる一大事です。

 現に日本経団連(財界・大企業の総本山)の榊原会長は記者会見で「年収要件の緩和や職種を広げる形にしないといけない」と、対象拡大の狙いをあけすけに語っています。

「残業代ゼロ」法案を廃案に追い込み、民間職場も公務職場も労働時間短縮と雇用拡大、働くルールを守らせる世論と運動を広げなくてはなりません。