堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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政治の責任で働くものの命守れ

「残業代ゼロ」は過労死を促進

(2月24日付)

 今国会で安倍政権が押し通そうとしている労働法制改正について、ますます日本の長時間労働が増え、過労死がまん延するのではないかと、危惧されています。

長時間労働

 日本の年間残業時間は、182時間。ドイツが53時間、オランダ22時間など日本が突出して長時間です。日本はさらに年間平均300時間ともいわれる「サービス残業」が上乗せされるのが実態です。

 残業時間については、「厚生労働大臣告示」で「週15時間、月45時間まで」と定められています。「月45時間」は、労働者の命と健康を守る医学的根拠にもとづいて厚労省が定めたものです。しかし、法的拘束力がなく、労働基準法36条で時間外労働協定「36(さぶろく)協定」を労使で結べば、いくらでも延長できるのが現状です。

 36協定については、経団連経済同友会の役員企業35社の残業上限協定では、33社で「月45時間」を超える協定を結び、28社(80%)は政府が「過労死ライン」としている月80時間以上、さらに経団連会長企業の東レをはじめ13社は100時間を超えています。

 政府が決めた「大臣告示」も「過労死ライン」も眼中にない、異常なものです。36協定を「大臣告示」が定めた規制を上限にするなど、法律化が必要です。

残業代ゼロ制度

 安倍首相は、労働時間規制をなくし、どれだけ残業させても残業代を支払わなくてもよいとする「残業代ゼロ」制度=「高度プロフェッショナル制度」を導入しようとしています。これは、労働時間規制をなくしてしまうものであり、文字通り日本の労働法制を根幹から覆すものです。

 「過労死ライン」すら超える異常な長時間労働を進めている財界・大企業に こんな法律を与えてしまったら、世界でも異常な長時間労働がいよいよ歯止めがきかなくなり「過労死」がまん延することになることは火を見るより明らかでないでしょうか。産業競争力会議竹中平蔵議員が「小さく産んで大きく育てる」と語り、経団連が「年収400万円以上」と主張しているように、いったん導入されたら、どんどん年収上限が引き下げられることになります。

 残業時間に法規制がないもと、「過労死・過労自殺」(未遂含む)が52人から196人へ4倍近くに増加しています。「労働者の命と健康よりも、経団連、財界・大企業のもうけを上におく」のではなく、今こそ、「労働時間の上限に法規制を」「働くもの命を守る」ことを政治の責任において行なうべきです。