ギャンブル依存症 世界で突出536万人
(9月5日付)
日本の依存症についての実態調査をしている厚生労働省研究班(代表=樋口進・国立病院機構久里浜アルコール症センター院長)が8月20日、「ギャンブル依存症」の疑いのある人は国内に536万人にのぼるとする推計を発表しました。
調査は2013年7月、全国から無作為に抽出した成人のうち、同意を得られた4153人(回答率59%)に面接し、飲酒やギャンブル、インターネットへの依存の度合いを調べました。
ギャンブル依存症と認められる人は、男性の8・7%(人口換算:438万人)、女性の1・8%(98万人)の計536万人(4・8%)となります。海外の同様の調査では、ほとんどが1%前後で、日本の数値は突出して高くなっていると報告。 背景には、競馬、競輪などの公営賭博に加え、パチンコ・パチスロという世界にも例のない日常化した「賭博」があることをあげています。前回08年の調査では男性9・6%、女性1・6%。「高止まり」状況で、改善はみられません。
アルコール依存症の人は109万人、インターネット依存症は421万と推計。依存症被害のなかでもギャンブル依存症の大きさが明らかになっています。
カジノで日本経済が豊かに・・・?
安倍首相は、「カジノは産業振興をもたらし活性化につながる」(2014年2月28日、衆院予算委員会)と述べています。しかし、カジノで儲けるのは、巨大な施設をつくるゼネコンと国際的カジノ資本、天下り先が確保される官僚です。すでに、日本には1万軒以上のパチンコ店がありますが、それで日本の経済は豊かになっているのでしょうか?
カジノの売り上げ世界一のマカオは、年間2兆6800億円。米国はラスベガスだけなら4600億円、全米では5兆円です。日本はパチンコ・パチスロだけで20兆円にのぼり、マカオのカジノをはるかに超えています。
競馬など公営賭博と合わせれば日本人は年間5兆6000億円も負ける世界有数のギャンブル大国になっているのです。
大阪都構想によるカジノ誘致は中止を
大阪にカジノを誘致する動きが、いま急速に進んでいます。大阪維新の会が、大阪都構想の住民投票に向けた政策素案「大阪広域マニフェスト」を8月15日に発表した中に、大阪をカジノを含む統合型リゾート中心とした「国際エンターテイメント都市」へと進化させるとしています。様々な問題をもつカジノを行政が主体で進めることは、住民との信頼を築くことに全くつながらないのではないでしょうか。