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戸籍事務の民間委託問題で自治労連が法務省に要請

窓口の本人確認は、判断が伴い、職員が行うべき事務

(6月25日付)

 法務省の戸籍事務の民間委託の拡大を認める通知を受けて、東京都足立区が14年1月から戸籍事務の民間委託を行っている問題で、自治労連と東京自治労連は6月13日に法務省との懇談を行いました。

 窓口の現場では、『聴聞』での本人確認は頻繁に行われている。特に高齢者の場合、本人の顔写真の入った運転免許証を持っておらず、『聴聞』を行い、職員が本人であると確認できれば必要な証明書等を発行するようにしている。『聴聞』を必要とする場面が頻繁にある本人確認は職員の判断が必要な行為であり、民間に委託してはならないはずだ」と指摘して法務省の見解を問いただしました。

「本人確認を民間委託できるとした通知を撤回すべき」

 法務省の発出した317号通知では、本人確認の事務は市区町村長の判断を必要としない「事実上の行為又は補助的行為」として民間委託を認めています。しかし、今回の懇談で法務省は、本人確認の事務の中には、定型化、類型化できない、民間に行わせてはならない事務が存在することを認めました。

 自治労連は「そもそも戸籍の事務は、法務省通知のように『事実上の行為又は補助的行為』と『職員の判断が必要な行為』とに機械的に区分けすることはできない。戸籍事務の中でも根幹を占める本人確認の事務を『判断を必要としない行為』と決めつけて民間委託を認めた317号通知は撤回すべきだ」と要請しました。

「待ち時間が長くなるなどサービスが低下している」

自治労連は「足立区の戸籍窓口では、待ち時間が長くなるなどサービスが低下している。一件毎の処理に職員の判断が必要であるために、委託業者が入力した内容を一から職員がチェックしなければならず、無駄な二度手間がかかり、コストもかさんでいる。あらためて現場の実態をつかみ、改善を指示すべきだ」と要請。「現場で働く職員は、戸籍事務を厳正、適正に行うために日々努力をしている。07年改正戸籍法の趣旨を行政実務にいかす点では、われわれも法務省も一致しているはずだ。国民の基本的人権を守る戸籍事務を、自治体の現場で厳正、適正に実施ができるように、これからも懇談、要請を行っていきたい」と表明しました。