堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

堺市職労(堺市職員労働組合)ブログです。

夏季闘争第2回交渉開催(5月16日)

非常勤職員の母性保護休暇 一刻も早い改善を

正規職員との均等待遇を求める

(5月19日付)

 16日、土生人事部長、佐小教育委員会総務部長出席のもと、夏季・一時金等要求書に基づく第2回交渉、非常勤四労組の要求書に基づく第1回交渉を開催しました。また、交渉に先立って昼休みと夕方に、非常勤4労組による要請行動が行われました。

 交渉の冒頭、正規職員との均等待遇について当局の基本的立場を確認。当局は「専門性をいかして即戦力として市民サービスの最前線にたってもらっている。市政を円滑にすすめるうえでなくてはならない、重要な部分を担っていただいている」、「勤務時間の長短をもって待遇に差をつける立場ではない」との認識を示しました。これに対し、今年の第2回春闘交渉での労使間の認識は「雇用形態の違いだけをもって、待遇に差をつけるものではない」であると指摘。

非常勤職員の母性保護制度、経験加算制度の改善を!

 具体の内容では、非常勤職員の母性保護制度にかかわって、正規職員、任期付短時間職員(任短)、再任用職員(再任)が1日75分以内であるのに対し、非常勤職員が30分以内となっている「妊娠中の通勤緩和」、正規職員、任短、再任が7日以内となっている一方、非常勤職員が週6~5日勤務で3日以内となっている「妊娠出産障害休暇」について改善を求めました。特に「通勤緩和」については、制度創設時の非常勤職員の一般的な勤務時間が、1日6時間15分、週25時間であったものが、現在は1日7時間30分、週30時間となっている実態からみて著しく均衡を欠いていると指摘。当局は、「勤務時間が週30~31時間になっているのは事実」と認めながらも「勤務の形態や通勤の形態もいろいろあるなかで総合的に検討のうえ判断したい」、「他の休暇制度も含め正規職員の休暇制度もふまえ検討したい」と具体の改善にむけた姿勢を示さないなか、要請行動で発言のあった通勤ラッシュを避けられず、流産をしてしまった非常勤職員の実態も真剣に受けとめ「取り返しのつかないことになる。早急に改善を!」と強く求めました。

 また、非常勤職員の経験加算が、1年間に病気休務や介護休務を1ヵ月以上取得しただけで、1年延期となる問題について改善を求めました。当局は「さまざまな経過の中で今の制度があり、ベストかどうかはわからないが一定合理性はある」、「任用根拠だけをもって差をつける立場ではないが、任用根拠によって差が表れている部分もある」として、任用根拠の違いによる制度差を容認する発言もしています。

短期臨時職員・再任用職員の賃金改善、任期付職員の充足を!

 短期臨時職員の賃金については、今年3月の春闘交渉での回答を踏まえ、4月から保健師や薬剤師等の賃金引き上げがあったが、大阪の最低賃金が819円となるなかで、技能労務職(826円)、事務職(860円)に留まっているとして、時給1,000円以上への引き上げを求めました。当局は「ここ数年の動向をみると最低賃金が上回ってくる可能性ある」、「調理員や用務員の賃金については、最低賃金に十分留意して検討していきたい」との認識に留まっています。

 再任用職員の賃金水準については、民間では高年齢者雇用によって賃金が60歳時点の賃金の75%未満となった際に、雇用保険から「高年齢雇用継続給付金」が支給される制度があるが、現在の再任用職員の賃金水準が在職時の65・5%(3級)~58・0%(5級)となっていることや、当局自身、再任用職員に「本格的な業務に従事してもらっており、再任用となっても職務・職責は変わらない」と述べながら、給料表上は在職時より下位に位置づけられている点も指摘し、使用者責任を果たす立場での検討を求めました。

 任期付職員(社会福祉)が充足されていない問題では、当局がどのように努力しているか質しています。当局は、任用について人事委員会から人事部に委任をうけ、柔軟に採用を行えるようするとともに「正職試験の1次試験不合格者への案内や大学への訪問」なども行ってきたが、「質の確保も大事」と回答。これに対し組合は、「体制確保は当局の責任。努力してないとは言わないが、努力が足りない」、「質と量の確保なら正規職員を採用すればよい」と指摘しています。

 最後に山道委員長は、「地方自治体に働く臨時・非常勤は60万人超と言われている。その4分の3は女性。母性保護休暇等の改善は女性の地位向上の課題でもある。課題の重さを認識し、具体策について検討を」と求めて交渉を終えました。