規制緩和へ逆戻り、派遣の永続使用を狙う
(9月3日付)
安倍政権の成長戦略実現に不可欠とされる労働分野の規制緩和。その中心である労働者派遣法について、改悪への大転換の方向が明らかになりました。
厚生労働省の研究会が8月6日に提出した素案で示したもので、政府は来年早々に法案を提出する見通しです。
現行法では、「専門26業務」とそれ以外の「一般業務」で区分し、26業務への派遣は無制限、一般業務は原則1年(労組への意見聴取で最長3年)に制限しています。そのため、派遣先企業は、一般業務では職場の最小単位に派遣を続けて1年を超えて使うことはできません。
素案では、「業務」による区分によって、派遣受け入れ期間を制限している現行の規定を撤廃することを提起。代わりに、派遣労働者が派遣会社と結ぶ雇用契約が「無期」か「有期」かによって分けるとしています。無期は制限せず、有期のみが「原則3年」、それを超える場合は派遣先労使の協議で可能としています。
派遣先企業は有期雇用派遣であっても、業務内容にしばられずに、派遣労働者を入れ替えるか労使の話し合いで、永続的に派遣を使うことができることになります。
また、素案は、派遣先企業が派遣労働者を直接雇用する義務の変更にも言及しています。
このような大改悪が実現されれば、派遣労働者は限りなく増大し、保護されないまま、固定化されることは明らかです。