忘れないでほしい
(3月11日付)
未曽有の被害をもたらした東日本大震災から2年がたちました。被災地は今どうなっているのか。避難者32万1430人のうち11万人が仮設住宅に住んでいます。(昨年12月6日復興庁調べ)
更地になった岩手県陸前高田市の旧市街地は、残っていた旧市役所などの建物が取り壊され「防災メモリアル公園」になる予定です。
住まいの見通しの持てない方も多く、「公営住宅を希望する人が多いが、戸数が足りない。国、行政に要望したい施策の一番は住宅再建」と訴えます。
宮城県白石市の雇用促進住宅居住者は、「ここに居られるのも来年の3月まで。この後住むところが決まっていない。仕事は見つからないし、生活保護の受給世帯なので、保護費を減らされる不安もある」と語ります。
ある自治体職員は、この2年間を「あっという間だったなと思う。震災のあった日は一晩、職場の屋上で寝た。家族はもうダメだと思っていたから、安否確認の受付にひょっこりと現れた父を前に泣いてしまった」と振り返ります。仕事に関わりのある学校の栄養士からは、「若い先生が学校に行けなくなった」「自殺した先生がいる」と聞き、「大人たちが精神的にまいってきている」と言います。
福島市内の介護施設で働く社会福祉士は、「家を出なくなって体力が落ちた」「認知症が進んだ」「畑仕事を趣味にしていたが作った野菜を孫に食べてもらえなくなってしまった」「若い人が地元に帰ってこない」「原発さえなければ・・・」と聞くそうです。
「被災地が忘れられている」という声があります。実情を知り、復興に向けて共に努力が求められています。しかし、消費税増税、TPP参加は、被災地により深刻な打撃です。国の姿勢が今、大きく問われています。