堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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労働災害死傷者数2年連続増加

雇用の非正規化・安全教育の軽視が原因

(8月28日付)

 長引く景気低迷と製造業の空洞化が進む中、労働災害が2年連続で増加しています。

 厚労省がまとめた2011年(歴年)の4日以上の休業を必要とする死傷者数は前年比3.3%増の11万4176人と2年連続で増加しました。

 2年連続での悪化は、1970年代の石油ショック後の実に33年ぶりです。死傷者数は11万4176人(うち、東日本大震災関係2827人)、死亡者数は2338人(うち東日本大震災関係1314人)でした。

 このうち、昨年3月11日に発生した東日本大震災による労働災害では、当日仕事中に津波などに巻き込まれて死傷したケース、震災後の復旧作業により死傷したケースがありました。

 これらの災害の業種別では、製造業が一番多く2万4395人、次に建設業が2万2075人、陸上貨物運送事業1万3779人となっています。

 また、事故の型別では「転倒」が21.4%、「墜落・転落」が17%、「はさまれ・巻き込まれ」が13.4%となっています。

 さらに、重大災害(一度に3人以上死傷する事故)は255件で、前年比10件増となりました。

 今年に入っても、大手メーカーによる事故があいついでいます。こうした中で、派遣や期間労働者の死傷者も増加しています。

安全技術の継承が途切れている

 こうした労働災害は「合理化」のしわ寄せが現場に来て、派遣や有期雇用が増え、安全教育がおろそかになっていることが原因です。

 派遣労働者については、平成21年3月に、厚労省が「派遣労働者に係る労働条件及び安全衛生の確保について」という通達を出し、安全衛生教育の実施等について、適切な実施を図るよう求めていますが、現実には、軽視されているのが実態です。

 この通達には派遣元と派遣先の責任が明確に示されているので、これらの遵守が重要です。

雇用の「合理化」の果てに

 「合理化」を理由とした非正規雇用の増加に伴った問題は、安全技術の継承だけにとどまらず、「業務内容に見合った研修が行われない」、「業務に熟練する前に雇用期間が満了する」など、様々な場面で業務の継承に弊害を生み、職場や顧客・利用者にとっても大きな負担となります。

 結果として、これら雇用の「合理化」の果てに「非合理」が生まれていると言わざるを得ません。