方針案ありきではなく、実態に基づく体制を(2月27日付け)
平成21年度から10年間で要員数を2割以上削減目標
22日、平成21年4月1日から平成31年4月1日までの10年間で要員数を2割以上削減することを基本目標とする、「堺市要員管理方針(案)(以下、方針案)」の策定について、竹山市長が定例記者会見で発表しました。
方針案の策定にあたり竹山市長は、「堺市の組織・人員を日本一スリムで強じんな体制にすることを主眼においた」とし、「徹底した少数精鋭主義のもと、日本一費用対効果の高い行政運営をめざしたい」と会見しました。
【策定の背景】
策定の背景として、少子高齢化の進展や生産年齢人口の減少による、行政サービスの需要拡大と財源である税収の減少傾向を挙げ、課題解決に向けた取組が急務としています。
さらに、自助・共助・公助の連携のもとで担い手を明確化し、持続発展するまちづくりのため、ヒト・モノ・カネの最適配分、特にヒトについて「少数精鋭の組織で効率的な行政運営を行っていく必要がある」としています。
【対象職員】
今回、再任用短時間勤務職員が、経験や知識等の円滑な継承のために、退職前と同様の本格的な業務に従事している現状を踏まえ、新たに要員管理の対象とされています。(1人を0・75人に換算)
【目標設定の根拠】
目標の根拠としては、①人口1万人あたりの一般行政職員数を政令指定都市で最小にする(36・3人)、②職員の年齢構成の平準化ラインを、これまでの30~49歳の一年齢あたりの平均常勤職員数142・7人から、30~44歳の一年齢あたりの121・9人(堺病院職員を除く)に設定することを挙げています。
この根拠を元に、要員数(常勤職員と再任用短時間勤務職員の合計)を算出すると、H21年の6065人からH31年の4800人に、ちょうど2割削減した数字が出てきます。
【総人件費も削減】
要員数削減だけではなく、コストマネジメントの視点も重要とし、総人件費も2割以上削減を図るとし、短期臨時職員の賃金も含めた総人件費の削減見込み額を示しています。
さらに、H21年時点の組織構成や役職者数を維持すると仮定すると、全体の職員数の減少に伴い、H31年には役職者割合が7割近くに達することを挙げ、役職ポストを10年間で3割以上(管理職ポストは4割)削減するとしています。
【取組の方法】
目標達成に向けては、①スクラップ&ビルドの徹底、②人事評価の実施など信賞必罰の徹底や人材育成により小数精鋭でも効率的に事業を推進できる組織体制の構築、③積極的にチャレンジし、試行錯誤を繰り返して最適な方法を見つけ出すという3つの推進方針に基づいて計画的に取り組むとしています。
【理由なき削減はしない】
これまで、人員にかかわって当局は、「当該部局の思いを超えて理由抜きに減らすことはない」「脱法と取られかねないことは行わない」と交渉で言明してきました。
【「要員管理」の実態】
実態はどうでしょうか。既にH20年度から「要員管理計画」がすすめられ、生活保護ケースワーカーでは、社会福祉法で規定された標準数に86名不足(任期付短時間勤務職員を含めても43名不足)している上、「一定期間内」の業務に従事することが要件の任期付任用を既に2回行っています。保育士では、346名の配置基準に対し84名が欠員で、当局は「短期臨時職員で対応している」と説明していますが、そもそも「臨時の職」であり、その臨時職員も6名欠員です。(いずれもH23年4月1日現在)(つづく)