2月24日付け
現在、子どもは9ヶ月。体重9.5kgで、つかまり立ち、はいはいをします。ガッガッガッと、たんがからまったおっさんみたいな声を出して周囲を驚かせています。離乳食もモリモリ食べ、昼間にぎやかに活動し、夜はぐっすり眠る日々です。
さて、話を前回に戻すと・・・ひと騒動のあと、僕は分娩室に入り、助産師さんに導かれて、ベッドの上に横たわる妻の枕元に立ちました。まるでドラマの一シーンのようです。
ふと、出産前に妻が書いたバースプランを思い出しました。それは、出産についての事前意向調査で、誰がどの段階から立ち会うか、出産時に流す音楽、撮影希望の有無、へその緒を自分で切りたいか、出産直後の赤ちゃんを胸の上で抱っこするカンガルーケアを希望するかなど、詳細なアンケートでした。
こういう時、どう妻を励ましたものか、とぼうぜんとする僕を尻目に、助産師さんや先生がてきぱきと動いています。「がんばって」とか「もう少し」、「よーし、ちょっと休もう」と声が飛びます。僕も心の中で「がんばれ」と応援。(のちに妻は単にぼんやりしているように見えたと振り返っていました。)
何度か陣痛の波がきて、あとひといきというとき、いきみにあわせて先生が妻のお腹を押しました。少しだけ出てきた赤ちゃんを、アドバイスを受けながら、最後に妻が取り上げました。「やっと会えたな~」子どもを見た瞬間、何とも言えないものがわきあがってきました。
妻がへその緒を切りました。へその緒は赤いと思っていたので、その白さがやけに印象的でした。
気がつくと、てきぱきスタッフに気圧された僕は、カメラも持たず手ぶらで、部屋の隅にぼうぜんとつっ立っていました。撮影のため、あわてて妻のケータイを取りに行ったのでした。