堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

堺市職労(堺市職員労働組合)ブログです。

議員定数削減と民主主義の本質

11月14日付

 先日、日本維新の会自由民主党と連立し、政権与党入りしたことを契機に議員定数削減の議論が活発化しています。財政負担の軽減や効率化を理由に挙げる声もありますが、民主主義の観点からは慎重な検討が必要です。議員定数は、国民の多様な意見を議会に反映させるための「器」の大きさを決めるものです。定数を減らせば、少数意見や地域の声が届きにくくなり、結果として代表性が損なわれる恐れがあります。
 例えば、日本の地方議会で定数を削減した結果、若年層や女性議員の割合が減少し、政策が高齢者中心に偏った事例があります。さらに国際的に見ると、北欧諸国は人口に対して議員数が多く、代表性を重視する仕組みを維持しています。ノルウェーでは人口約540万人に対し国会議員は169人、比例代表制で少数意見を反映しやすい構造です。一方、アメリカ下院は人口約3億3000万人に対し435人で、1議員あたりの人口負担が大きく、地域の声が届きにくいとの批判があります。こうした比較からも、議員定数は単なるコスト論ではなく、民主主義の質を左右する要素であることが分かります。
 また、「多数決=民主主義」という誤解も根強くあります。多数決は意思決定の手段に過ぎず、民主主義の本質は少数意見の尊重と議論のプロセスにあります。多数派が常に正しいわけではなく、異なる意見を排除する社会は民主主義とは言えません。議員定数削減の議論は、こうした民主主義の原理を踏まえ、単なる効率性ではなく、国民の声をどれだけ反映できるかという視点で進めるべきです。