堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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イノベーション中年② マンガ「何食べ」読んでみた

6月24日付

 「きのう何食べた?」(よしながふみ作)というマンガを妻が借りてきました。
「恋人の実家に遊びに行って親ごさんと一緒にごはん食べる日なんて俺には永久に来ないと思ってたもん。もー俺ここで死んでもいい!」「バカヤロウ。そんな事言うもんじゃない」
 弁護士の筧史朗と美容師の矢吹賢二。中年の2人は同棲中。クールな倹約家でゲイを隠して働く史朗と、愛想がよくロマンチストでゲイをカミングアウトしている賢二。これは2人の生活をご飯を通して描いた作品です。
 この本はいろんな角度から教わることばかりでした。料理のレシピ本、弁護士や美容師の職場の話、親の介護や相続など中年の問題、そしてもちろんゲイカップルの日常として。
「俺は物心ついた時には自分は大きくなったら女の子になるんだと思ってた」。
 読みながら、自分の無知や偏見への気づきにハッとしました。
 「ヒトの脳は男女入り混じるグラデーション」。目にした記事で埼玉大学の塚原教授は、最新の脳科学では、心の性つまり脳の性は身体の性よりも多様性があり、心の性(性自認=自分の性をどう思うか)や性的指向(どんな人を好きになるか)は、脳の構造によることが分かってきたと語ります。LGBTQと言われますが、その割合は8%とされ、左利きやAB型と同じくらいの割合とのことです。
 同性婚を国が認めないなか、「何食べ」では養子縁組が同性カップルで活用されてきたと紹介されていました。それに加え、堺でも制度化されたパートナーシップ宣誓制度が各地に広まり、昨年札幌地裁では同性婚を認めないのは違憲との判断も示されました(一方、大阪地裁は合憲判断)。
 ちなみに作品では登場人物はだんだん年を取ります。コロナ禍を史朗と賢二はどう過ごしているかと、2人の日常を思うのでした。