8月2日付
4日から、広島で原水爆禁止世界大会が開催されます。世界の情勢が大きく変わろうとするなか、草の根の運動がさらに重要性を増しています。
広島と長崎の原爆投下から73年。世界は核兵器の廃絶に向けて画期的な一歩を踏み出しました。
2017年7月7日、国連会議で核兵器禁止条約が、122カ国の賛成(反対1、棄権1)で採択されたのです。
非核国政府と市民社会が力を合わせ、被爆者が条約制定の「原動力」(エレン・ホワイト会議議長)になりました。
この禁止条約により、最も残虐で巨大な破壊力を持つ核兵器が、歴史上初めて、明文で違法とされました。核兵器の「開発、実験、生産、製造、取得、所有、貯蔵、移転、使用、威嚇」など、核兵器に関するあらゆる活動が禁止されました。核保有国は、条約への調印や批准を拒否しても、政治的・道義的責任を問われることになります。
これは、1995年の第1回原水爆禁止世界大会以来、被爆者とともに60年以上にわたって、核兵器の禁止・廃絶を求めてきた私たちの運動の大きな成果です。
昨年から、北朝鮮の核実験強行と度重なる挑発、アメリカが「(先制武力行使も含む)すべての選択肢がテーブルの上にある」と突っ張り合い、まさに戦争の危機を実感する状況が続きました。
しかし、今年に入って、オリンピックを契機にした対話の機運の高まりの中で、4月の南北首脳会談、6月の米朝首脳会談と、平和的に対話による外交を進める動きが強まっています。
こうした北朝鮮の態度に対して、懐疑的にみる意見もありますが、大切なことは、首脳レベルで「平和的に進める約束」が交わされたことであり、簡単に逆戻りできる事案ではないということです。
北朝鮮が核軍備から離れ、平和外交に転換することは、日本の平和と安全に巨大な影響を与えます。「在日米軍は縮小すべき」「沖縄に新しい基地はいらない」「米軍への思いやり予算減らせばいい」ーこうした前向きの変化が生まれてくるのです。
ただ、歴史は簡単には進まないのもリアルな実態です。重要なのは、世論と運動の力を高め、戦争で儲けようとする勢力、核兵器にしがみつく勢力を包囲していくことです。