世論と運動の力で戦争法案を廃案に
(9月7日付)
衆議院で強行可決が行われ、参議院へ送られた平和安全法制(戦争法案)。平和憲法を変質させる法案への危惧・怒りが国会を包囲しています。世論と運動の力で、改憲勢力を追い詰め、稀代の悪法を必ず廃案にしましょう。
立法事実の崩壊、歯止めなし、自衛隊の暴走
この間の参議院での論戦のなかで、戦争法案が、日本の防衛と全く無関係であり、憲法9条をふみにじり、日
本を戦争する国へと変える危険な中身であることが白日のもとにさらされてきました。
①安倍首相が集団的自衛権行使の具体例として示した「米戦艦に乗っている邦人救出」は、中谷防衛相が「邦
人が乗船しているかどうかは絶対的な条件ではない」と答弁するなど、立法事実を国民に説明できなくなり、
②米軍等への後方支援(兵たん)が、「弾薬の提供は可能」とした上で、法律上は「クラスター爆弾や核兵器の輸送まで可能」となるなど、自衛隊の軍事行動の歯止めがきかないこと、③8月12日に暴露された防衛省統合幕僚監部の内部資料では、国会で審議されたこともない、米艦防護の「交戦規定」策定、「軍軍間の調整所」の設置などが記載され、自衛隊の暴走の加速が明らかになりました。
平和憲法・政府見解との矛盾から政府が答弁に行き詰まり、衆議院で111回、参議院で77回(8月27
日時点。その後も増加)も審議が中断。途中散会も起こっています。
高まる国民のたたかい
こうしたなか、「民主主義を守れ」「戦争法案反対」と、労働者・国民のたたかいが量的にも質的にもこれまでにない運動になっています。
毎週金曜日の若者を中心にした国会前での抗議行動、元内閣法制局長官や日本弁護士連合会の歴代会長など法
曹界・学者300人以上が参加した合同記者会見(8月26日)、「だれの子どももころさせない」を合言葉に
子育て中の母親たちが結成した「安保関連法案に反対するママの会」による2万人分の署名提出(8月27)、山口繁元最高裁長官が「集団的自衛権の行使を認める立法は違憲と言わざるを得ない」(9月1日)と発言す
るなど勇気や良心を顕在化させてきました。
笑福亭鶴瓶師匠や渡辺謙さんなど、「戦争する国」への危険をストレートに表明する芸能人も表れています。
こうした世論の高まりを結集したのが、8月30日の国会前の「12万人集会」、全国1000か所以上での宣伝、集会、デモなど数十万人の行動でした。世論と運動の力は確実に政府を追い詰めています。
自衛隊の暴走許すな
9月2日にはまたも自衛隊の内部文書が暴露され、昨年12月17日、河野統合幕僚長が米軍幹部に対し、安倍首相が戦争法案準備を記者発表する前に、「(安保法制は)来年夏までには終了する」との見通しを伝えていたことが明らかになりました。
国会軽視、立憲主義の根本にかかわる問題であり、「シビリアンコントロールの形骸化」という重大問題です。
9月9日(水)、午後6時20分から瓦町公園(堺区)で「戦争法案を許すな!9・9堺市民集会」が開催され
ます。集会の成功で「平和憲法を守ろう」「子どもたちに平和な未来を手渡そう」の思いを表しましょう。
立場の違いを超え、一歩でもパレードに加わる、応援の手を振る、声を上げることが運動の力になります。
戦争法案を廃案に追い込むために全力をあげましょう。