「戦争立法」と改憲の暴走食い止めよう
(2月27日付)
ノーベル賞作家の大江健三郎さんらの呼びかけで、憲法9条を守る活動をしている「9条の会」が23日、国会内で記者会見し、「憲法9条を根底からくつがえす『戦争立法』と改憲の暴走を止めよう」とのアピールを発表。3月15日には、安倍政権の改憲暴走に対抗する運動をつくるため、都内で全国討論集会を開催することも明らかにしました。
「9条の会」(小森陽一事務局長・東京大学教授)は、井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の9氏が立ち上げた会で、思想・信条・立場などの違いを超え、九条改憲を許さないという一点で共同することをよびかけたアピールを発表し2004年6月に発足。趣旨に賛同し、現在5千余の地域・分野にさまざまな名称をもつ組織が生まれています。
今回発表されたアピールは、安倍政権が違憲の集団的自衛権行使に踏み出し、自衛隊恒久派兵法制定などで、自衛隊が海外で他国の軍隊と肩を並べて軍事行動ができるよう暴走を加速していると批判。「これは、憲法9条を破壊するもの」であり、「その先に、憲法に『国防軍』を明記するなどの明文改憲がひかえています」と警鐘を鳴らしています。
一方でアピールは、安倍政権の暴走にストップをかけようと、様々な取り組みが発展し、共同が広がっているとし、「結成から10年を経過した私たち9条の会にとっても、その真価が問われる正念場です」と強調しています。
小森事務局長は、「日本国憲法ができてから、最も危機的な局面を迎えている。憲法9条が保ち、国際的な信頼を得てきたあり方を解釈改憲で突き崩そうとしてる」と指摘しました。
また、記者会見に同席した同会賛同人の渡辺治氏(一橋大学名誉教授)は、「海外で武力行使しないという原則を、民主主義を蹂躙(じゅうりん)するやり方で変えることに対しては、自衛隊が必要だと思っている人や日米同盟に賛同する人とも、広範な共同をつくれる」と強調しました。
アピール全文は、9条の会オフィシャルサイトご参照を⇒https://www.9-jo.jp/