堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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介護関係労働者全国交流集会

利用者も家族も介護労働者も安心して暮らせる介護制度の実現に向けて

(6月12日付)

 自治労連「2014年介護関係労働者全国交流集会」が5月31日~6月1日にかけ、静岡県伊東市で開催され、全国から63名の介護関係業務に従事する組合員が参加し、「医療・介護総合推進法」を許さず、介護制度の拡充にむけた意思統一を図りました。

 開会に当たり、自治労連本部福島副委員長(自治労連介護対策委員長)は、「医療・介護総合推進法案はまさに正念場を迎えている。介護では、要支援1、2の『訪問介護』『通所介護』を保険から引き離し市町村事業に移行、特養ホームの入所者を要支援3以上に限定、一定以上の所得者の利用者負担を2割へ引き上げる、施設からの低所得者の締め出しなど、まさに『保険あって介護なし』という事態が生じかねない。中央社保協が行った緊急調査では、『訪問介護』『通所介護』を地域支援事業に移行することに対し、31・3%の保険者が『不可能』と回答。また、210もの地方議会が反対の意見書を採択している。国会会期末まであと2週間強。頑張って廃案に追い込むことが可能な情勢。必ず廃案に追い込もう」と挨拶しました。

 基調報告を介護対策委員会事務局長の國貞中央執行委員が行い、集会の目的として、①医療・介護総合推進法案の内容を学び、成立阻止に向けた意思統一を図る、②自治労連の「公的介護保障制度をめざす介護政策骨子案」の実践にむけた議論を深める、③介護労働者が安心して働くことの出来る賃金・労働条件、質の高い介護にむけた仕事改善の取り組みの議論、④介護分野における「特別な任務」の具体化、⑤介護分野での組織拡大の実践にむけての5点を提起、これら運動を前進させていくため「自治労連介護政策(骨子案)」を柱に据え前進させていくと提案しました。

 記念講演を大阪社会保障推進協議会の日下部雅喜氏(堺市職労社会福祉支部執行委員)が、「どうする!介護保険介護保険制度の見直しと現場への影響」と題し、パワーポイントを用いながら講演。冒頭、直近データでは7300万人が介護保険料を支払い、その利用者は471万人であり、国は今回の改悪でさらに利用者を締め出そうとしている。あくまで自助を基本とし、社会保険制度が自助を支え、自助・共助が対応できない場合に限って公が補完するという、憲法25条をないがしろにする理念が改悪の根底にあると報告。

 また、「総合推進法」は本来それぞれの法律が個別に審議されるべきものを「一括法案」として19本にも及ぶ法律を一括りにして一気に国会を通過させようとしており、安倍政権の反動性は従来の自民党政治にもないものと厳しく批判しました。法案にある要支援1、2が外されれば介護認定者の27%ともなる154万人が介護保険から除外され、特養ホームを要介護3以上とすれば、約18万人、要介護全体の三分の一の人が追い出されるという、まさに「保険あって介護なし」という事態に陥ることが報告されました。今後、負担増による利用抑制と生活破壊がすすむと同時に自治体では給付抑制競争が始まる。これらに対し、いま、運動としてやるべきことは、住民アンケートをはじめとした実態把握をすすめ、同時に改悪反対の賛同を事業所を中心に広め、これらに基づいた自治体への要請行動を早急に広げる必要がある。国に対しては改悪反対の共同を広げ、署名を初めとした対政府運動を前進させていくことが重要。あわせて、介護保険充足に向け一般会計の投入を求めていく。介護関係労働者の処遇改善にむけた賃上げを勝ち取っていくため、「世論」に働きかけていくことが重要と強調されました。

 集会は、シンポジウム・分科会で活発に論議を行い、「自治労連介護政策(骨子案)」の実践を全国で進めることを確認して閉会しました。