堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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自治会でGO(1)

はじまり

7月24日付

 それは、今から4年前、2013年1月のことでした。

 日曜日の夜、築40年を迎える団地に帰宅した僕は、遠目から、自宅の階段入口で、1階左側の部屋に住むAさんと向かいのBさんが話しているのを目にしました。

 団地は2軒ずつが向い合わせの中層5階建て階段式だったので、4階の自宅に帰るため、階段入口に近づき、2人に挨拶をしようとした瞬間、Aさんが悲痛な面持ちで声を掛けてこられました。

 聞けば今日、自治会役員を決める寄り合いで、来年度の役員としてくじ引きしたところ、「会長」を引き当ててしまったとのこと。

 Aさんは「私は夫を亡くしたばかりの後期高齢者。到底引き受けられないと言ったのだが、その場の人はみんな引き受けてくれなかった。せっかく悲しみから立ち直りかけていたのに、こんなことなら引っ越さないといけない」とまくしたてるのでした。

 この団地では同じ階段10軒から役員を出すのが慣例のため、Aさんは寄り合い後、各世帯に会長のお願いに回っており、ちょうどBさんに「私は数年前会計を担当したので・・」と断られているところだったのでした。

 鬼気迫るAさんのようすに気おされた僕は、「家に聞いてきますから」と、ひとまずその場を切り抜けて考えました。「いま断って、Aさんが引越しでもすれば階段の世帯で会長を決め直すことになり、めんどくさい。いずれ役員は輪番で回ってくる。任期は1年やから何とか務まるかな。Aさんには何かと世話になってるしな」と、最後は浪花節的に引き受けることにしました。

 妻の了解も得て、Aさんに返事をしに戻ると、「ありがとうございます。どうぞ夫に手を合わせてください」と強引に招き入れられ、仏壇にご挨拶をするはめに。

 チーンという澄んだ音が響く中、僕は亡きご主人に、会長を引き受けることになりましたと手を合わせたのでした。