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安倍首相介護利用者締め出し

自治体も業界も介護関係者が猛反発(10月4日付)

言っていることと、やっていることが全く違う安倍晋三首相。参院選後初の所信表明演説(9月26日)でも「介護の拡充」といいますが、実際にやっていることは介護保険を利用できる対象者を大きく狭めていく大改悪です。拡充どころか切り捨て。これには、利用者だけでなく介護・自治体関係者からも批判が噴出しています。

安倍政権は昨年の6月に閣議決定した「骨太の方針」に、社会保障の全面改悪を盛り込みました。介護保険では、要介護度の低い人たちの利用料負担や保険給付の見直しを打ち出しました。    

安倍大改革で

    65%超が対象外

 これに基づき財務省は昨年の10月、要介護2以下の人たちの福祉用具のレンタルや住宅の改修を、原則自己負担にする案を示しました。ここでは「要支援1・2」に続いて、「要介護1・2」の在宅サービスを介護給付から外すことも提案。この改悪で、要支援・要介護認定者の65%超が給付の対象から外されます。利用料負担を現行の1割から、所得にかかわらず2割に倍加する案も打ち出しました。

保険料を払っても

 受けられない

 介護保険サービスを受けられる要介護(支援)認定をうける者は75歳以上では31%ですが、65~69歳では3%にすぎません。それでも65歳以上の方が保険料を払い続けるのは、将来、要介護・要支援になったら介護サービスを受けられると思うからです。

 しかし、2015年度から実施された介護保険の改正では、例えば特別養護老人ホームの入所対象が原則要介護3以上の人に限定されました。また、要支援の人に対する訪問介護とデイサービスの予防給付を廃止し、市町村の「新総合事業」に移行させることになっています。

 このように介護保険サービスの給付の「範囲」がどんどん縮小されていけば、まじめに保険料を払った人がいざ介護保険サービスを受けようとしても受けられない場合が出てきて「だまされた」ということになります。社会保険は国と国民との約束なのです。国が約束を守らないということであれば国家的詐欺と言われても仕方がないことです。

安倍政権が狙う

 福祉用具自己負担

 介護保険法では、福祉用具を「要介護者等の日常生活の自立を助けるためのもの」だとして、車いす、介護ベッド、歩行器など13品目の貸与・購入費用を保険から給付しています。

 政府は2006年に制度改悪、そして今回の見直しにより、よりいっそう「自立支援」という制度の理念を踏みにじるものとなっています。

意見書24都道府県

 含む167議会

 福祉用具レンタルの自己負担化に反対する署名は約22万人にのぼり、24都道府県議会と143市町村議会で反対の意見書が採択され、引続き広がっています。厚生労働省社会保障審議会介護保険部会でも「慎重に」や「反対」の声が上がっています。

 制度自体を危うくする安倍政権の介護破壊を許さず、安心の仕組みへの転換へ、堺市職労も幅広い共同のたたかいを広げるために、がんばります。