堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

堺市職労(堺市職員労働組合)ブログです。

国家公務員給与を平均7.8%大幅削減

民主、自民、公明の提出法案を衆議院で可決

憲法に違反し、暮らし・経済を破壊する暴挙

民主、自民、公明の3党共同提出の「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律案」(賃下げ法案)は、23日の衆議院総務委員会でわずか2時間余の審議で、共産、社民を除く賛成多数で採択され、直後の本会議で可決、ただちに参議院に送付されました。

内需縮小させ財政悪化】

 賃下げ法案は、平均0・23%削減の11年人事院勧告を昨年4月に遡って減額調整し、調整分を本年6月の一時金から引き去る、経過措置額は14年3月末で全額廃止、さらに12、13年度に平均7・8%の大幅削減を行うというものです。

 しかも、自民、公明両党は、地方公務員についても「地方公務員法及びこの法律の趣旨をふまえ、地方公共団体において自主的かつ適正に対応されるものとする」という内容を附則に明記する修正案を提出。民主党も賛成して可決しました。

 国家公務員の給与は地方公務員や独立行政法人職員など約600万人の給与に波及し、民間賃金にも影響を及ぼしてきました。今回の削減が行なわれると、国民全体の所得低下、内需の縮小、不況の悪循環を加速し、財政破たんもひどくする危険性が大いにあります。

 この点について、川端総務相は「経済にどういう影響を与えるかは注視していかなければならない」と述べざるを得ませんでした。

 さらに、野田内閣が、消費税増税に向け、「国民の納得と信頼を得るため」の一つとして、賃下げ法案を位置づけていることは国民的にも重大です。

【二重、三重の憲法違反】

 そもそも、公務員は、憲法で保障されている労働基本権の一部が制約されています。

 その代償措置である、「マイナス」の人事院勧告さえも大幅に上回る賃金の引下げです。

 しかも、労使交渉もなく議員立法によって法案を提出することは、使用者たる政府の責任放棄に他ならず、当事者である労働組合の意見すら聞かずに衆院で可決を強行しました。

 国会において、何の根拠もない政党間協議で、自由に公務員の労働条件を決定することは、労働者としての労働基本権を保障した憲法に、二重、三重で違反する暴挙です。

 また、国家公務員制度改革関連法案では、「合意形成にむけての環境整備を図る」にとどまり、協約締結権回復に向けた審議入りすら棚上げしたに等しいものです。

全労連見解が議事録に】

 一方、共産党の塩川議員の指摘を受け、国公労連が発表した「党利党略の談合は憲法を二重三重に蹂躙する暴挙」との談話や全労連の意見書が、見解として議事録に掲載されることになりました。

 これは、21日の緊急の議員要請行動や23日に全国から230人が参加した、雨中の国会前での座り込み行動等での道理ある主張と運動を反映したものです。

【復興に逆行】

 労働基準法は民間労働者の減給処分の上限を賃金総額の10%としています。厚労省の労働基準局長は「減給の裁定は一定の限度にしないと、労働者の生活を脅かすからだ」と説明。人事院総裁は、課長級以上が受ける10%減給は懲戒処分と同水準であり、処分例として、飲酒後、部下にタクシーでセクハラ行為をした場合などを挙げました。同様の措置を全ての国家公務員に押し付ける不当性は明らかです。

 自衛隊員への特別措置を除いて、自ら被災しながらも大震災の復興に奮闘する国家公務員へも大幅削減を押し付けることになり、道理はありません。

 何重にも問題を抱える法案をごり押しすることは許されません。

(関連記事)~税収が5,400億円も減る!?~

http://unionsakai.seesaa.net/article/204665727.html