ポスト数優先でなく士気向上や世代間にも公平に
(10月16日付)
10月12日、今年度の係長級昇任試験の1次試験結果が本人に通知され、当局から全体試験区分別の合格率が示されました。
特に第1類が厳しい
合格率(受験者ベース、以降同じ)は第1類(30~33歳)が10・3%、第2類(34~44歳)が18・2%でした。昨年度がそれぞれ13・6%、19・0%であり、30歳から受験可能になったH15年度以降では過去最低だった昨年度の合格率を更に下回りました。
特に第1類は、わずか3年前に22・9%と4~5人に1人合格していたものが、とうとう10人に1人、対象者全体に広げれば15人に1人しか通らない、非常に厳しい結果となっています。
37歳以下の職員にとって、1次試験合格は3級昇格・一時金5%加算の条件となっており、間接的に生活にも影響するものです。とりわけ若い世代において合格率が低水準にあることは仕事に対する士気の低下も心配されます。
また、職種別合格率では一般事務16・7%に対し、一般事務以外が12・8%となりました。昨年度は、19・1%に対し14・3%、一昨年度が22・4%に対し16・0%であり、一般事務以外の合格率はより厳しい結果が続いており、「職種間格差」が顕著になっています。
世代間の不公平感も
全体の合格率も14・9%と、過去最低だった昨年度(16・8%)を更新しました。H19~21年度にかけて3年連続で24%台で推移してきたことを考えれば、昨年や今年に惜しくも合格点に達しなかった職員は「数年前までの合格率であれば合格していたはずなのに」と感じるなど、世代間の不公平感も懸念されます。
受験率低迷も憂慮
全体の受験率は53・6%と対象が44歳に拡大されて初の試験となった昨年度より1・3%低下。ほぼ2人に1人が受験しない状況です。とりわけ男性職員の66・3%に対し、女性職員は37・1%と昨年度の39・3%をさらに下回っています。受験率の低さを理由に昨年度から保育士が対象外となったにも関わらず、女性職員の受験率低迷が目立ちます。
他市でも、今年の神戸市人事委員会報告で「係長昇任選考の受験率の向上など女性職員の意欲と能力をさらに引き出すことが必要」とされており、この問題は重視されています。女性職員の受験促進を所属任せにするのではなく、意欲と能力をさらに引き出す努力が求められています。
制度改善について要求
ここ数年の傾向を含め、とりわけ今年の係長級試験の合格率はH11年度の導入以降一貫して組合が求めてきた「通常の努力をしていれば合格できる制度」からは程遠く、むしろ後退している状況です。
当局は、係長級昇任試験の実施にあたり、「意欲と能力等が備わった職員」を登用するとしていますが、実際は「要員管理方針」に基づくポスト数削減が優先され、意欲と能力だけでなく、「ポスト数に応じて」登用する実態となっています。
係長級としての意欲と能力等を指標にしながら、合格率の低下がなぜ続いているのか当局にただし、受験者の不満解消や士気向上に努めるよう、一層求めていきます。