堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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なりふり構わぬマイナンバー普及

公務員・家族の『内心の自由』侵害 『政府・強引』『圧力だ』とマスコミも警鐘(2月7日付)

総務省によるマイナンバーカードの事実上の取得強制とも言える事態が広がるもと、自治労連は、「国による住民情報の一元管理」をすすめようとするマイナンバーの問題点を明らかにしていくため、「マイナンバー問題ニュース」として連載していきます。

 高市総務大臣は1月17日の記者会見で、20年がマイナンバーカードの普及・利活用等にとって、極めて重要な年であるという認識を示し、特に➀21年3月からのカードの健康保険証利用、➁預貯金口座に対するマイナンバーの付番の義務化の実現に向けた検討を、関係閣僚に要請しました。なりふり構わぬ「マイナンバーの普及」にあたり、公務員とその家族に取得しない理由を聞くなど重大な権利侵害が進行しており看過できません。

これまでの経過

 自治労連は、マイナンバーカードの利活用について、職員の権利侵害にあたる問題と個人情報(社会保障情報や金融情報など)の国による一括管理に対する懸念の問題を結び付け、学習会や「カードの一斉取得の推進」に係る総務省及び共済組合連合会への申し入れなどを行ってきました。 マイナンバーカードには、個人のマイナンバー(個人番号)と顔写真が記載されます。プライバシーとも深く結びつくカードの取得は、本人の意思が尊重されなければなりません(任意性の確保)。そして、その理由が基本的人権の尊重(自己の情報をコントロールする権利)にあることは、憲法擁護義務を負った地方公務員なら誰でもわかることです。総務省自治労連の指摘に対し「カード取得は強制ではなく、あくまでもお願いである」あるいは「取得状況の確認もフォローアップの為のものであり、(取得状況を)競い合わせたりするものではない」(19年10月)といっています。しかし、現場では問題が次々と発覚しています。

事実上の強制が横行?

 東京新聞(1月27日)の記事では、総務省勤めの父親と大学生の息子の「カード取得」をめぐる葛藤が紹介され、その内容は「現代社会ではデータは権力」と論理的に取得を拒む息子に対し、父親が情に訴え取得を迫る。不条理を感じつつも「父親が職場で肩身が狭くなるなら取るしかないのかな」と慮り、事実上のカード取得の強制に応じるべきか揺れる息子の切なさです。

 自治日報(1月3日)の記事でも、旧自治省出身の井戸兵庫県知事が県内市町村の職員のカード取得状況(19年10月末現在)を公表し、「さらに(取得促進の対策を)強化しなければならない」と発言。「あくまでもお願い」、「フォローアップの為」という言い訳は成り立たない、現場レベルでは「事実上の強制」になっています。

マスコミも警鐘

 そもそも、住民の人権を擁護する立場にある自治体が、職員本人の内心にまで踏み込み、さらに別人格である家族の取得状況まで聞き取りを行うことを許せば、住民の人権を脅かす行為に職員が加担させられることにもつながります。