堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

堺市職労(堺市職員労働組合)ブログです。

岩手・大槌の風 第20・21風

観光なら「今だけ」の東北へ(8月15日・16日付)

大阪のみな様、いかがお過ごしでしょうか?今年は例年にない酷暑で「溶けるような暑さ」と家族からも聞いておりますので暑さに気をつけてお過ごし下さい。なお岩手県の、特に私が派遣された大槌町のある三陸沿岸部は大阪より平均気温が7~8度程涼しく、快適です。周囲の方々も暑さに大変弱いので職場で少しでも暑かったらクーラーを点けるので体が涼しいのに慣れてしまい、大阪に戻るのが少々怖いです。

 さて前回、無料高速・三陸復興道路の話をさせていただきましたが、7月末からお盆前にかけて更に2区間開通しました。関西空港から格安航空券なら1万円前後で行ける仙台空港が近づいた感覚です(実は大槌から約250㎞ありますが)。今回はぜひ旅行先には三陸を!ということで沿岸部を北上しながら紹介します。

 まず日本三景・松島。私は冬にも行きましたが夏の方が断然オススメです。これは三陸全体に言えますが、白い岩礁に映えるのはやはり青い空と葉が繁る緑。それが見られる期間は9月くらいまでです。岩場のスポットは大船渡市の碁石海岸、大槌町の野島、宮古市のとどヶ崎、田老真崎、田野畑村の鵜ノ巣・北山崎、普代村の黒崎、「あまちゃん」で有名になった小袖海岸など全て言葉を失う程の、心が洗われる絶景ながら、知名度が高くないためにほぼガラガラです。撮影スポットだからと言って周囲に気を遣わず、普段と全く違う景色に没頭できます。

 やたらと早くに勧めるなぁと思われるかもしれませんが、別の大事な意味があります。それは‥(続く)

今、この時期でしか三陸で見られないもの。それは震災遺構と復興事業を同時に見られる、残り少ない期間だということです。

 以前にお伝えした通り、大槌町最大の悲劇の舞台・旧町役場も解体が近づいています。東京大が大槌に持つ旧研究棟も新研究棟の竣工から解体が考えられ、著名な被災建物はほぼ姿を消そうとしています。私が岩手県に来たばかりの昨春には津波で破壊された防潮堤が大槌にも他の市町村にも多く観られましたが、それらも次々と撤去されています。

 一方で復興事業は「仕上げ」が近づいています。8年間不通となっていた鉄道が来年3月の復旧と決まった他、区画整理地も大半が完成。防潮堤も大規模なものこそ施工中とは言え大半は完成しました。三陸復興道路事業も今年度が開通のピークで、私のような各地からの派遣職員も段々と引き揚げつつあり、先日は岡山県倉敷市からの派遣職員が任期途中で召還されました。

 震災直後、被災地を観光に訪れることを「不謹慎ではないか」という声がありましたが、今は全く気にすることでなく、逆に復興に対しては観光業が大きな課題。昨年岩手県の外国人旅行者宿泊人・日は北海道の40分の1にも届きませんでした。

 また全国各地で起こる天災、特に今夏の西日本豪雨等に対して「大きな水害からどのように街を再建するか」について成功例も失敗例も間近で体験することができます。

 日本でもここでしか、今から残りわずかの期間しか味わえないものが詰まっています。交通の便も以前に比べて一気に改善された東北の、三陸地域に是非ともお越し下さい。