堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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「派遣労働者の受入についての意見」に対する当局回答を考える

業務に見合う体制確保を(7月25日付)

 7月19日、派遣労働者の受入について、労働者派遣法に基づく労働者の過半数代表者から提出されていた意見に対する当局の回答(5月2日付)が庁内ホームページに掲載されました。この回答について考えます。

過半数代表者の選出

 2015年改正労働者派遣法(現行法)では、常用代替防止の観点から、派遣労働者の受入について、事業所単位での期間制限(3年)、個人単位での期間制限(3年)が設けられています。

 この期間を超えて事業所が派遣労働者を受け入れる場合、労働者の過半数を代表する者から意見聴取を行う必要があります。堺市役所では、1月に過半数代表者を選出する信任投票が行われ、投票者数4095名、有権者に対する信任率51・46%で代表者(荻野氏)が選出されました。

過半数代表者の意見

 意見書の作成にあたり、代表者から、労働者派遣の役務の提供を受けている部署へアンケート調査による意見集約を行いました。堺市職員からは、58職場206人、派遣労働者からは、41職場104人からご回答をいただきました。回答では、①現在、派遣労働者が担っている業務の今後の継続期間をお尋ねしたところ、「3年超」「終期なし」とする回答が多くみられました。

 この場合、「臨時的・一時的」とされる3年以内の期間制限を超えて派遣労働者を受け入れることになります。期間制限を超えて、当該業務を派遣労働者に担わせ続けることは、「常用代替」であると言わざるを得ません。そのため、派遣可能期間の延長後さらに延長すべきではなく、任期の定めのない常勤職員を充てるべきと考え、平成33年9月30日の是正を求めました。

②また、派遣労働者でなければならない主な理由について「市職員が配置されないため」との回答が多く寄せられた部署もありました。これは、労働者派遣法の禁じる「常用代替」であって、派遣可能期間の延長は認められず、平成30年10月1日から任期の定めのない常勤職員を配置すべきと指摘しました。

当局の回答要旨

 これまで、少数精鋭の組織で効率的な行政運営を行うため、職員数の最適化、多様な雇用形態による任用を行ってきた。特定の分野における高いスキルを持つ人材を確保するため人材派遣労働者を活用している。

 アンケートの業務の継続期間において「3年超」「終期なし」との回答が見られたというが、組織体制については派遣労働者も含めて年度ごとに、その業務に適した担い手を精査し、人材派遣労働者を受け入れており、アンケートが直ちに業務の見直しにつながるものではない。

 今後も法の趣旨を逸脱しない範囲において適正に運用していく。

引き続き体制

   確保を求める

 当局の回答は、業務が継続するなか、厳しい人員体制の実態を踏まえて、「3年超」等と回答された職場のアンケート結果を顧みないものであるばかりでなく、「常用代替防止」の観点から、派遣労働者の受入期間を3年に制限した法の趣旨を実質的に逸脱するものと言わざるを得ません。

 執行部は、業務に見合った人員体制の確保について責任を果たすよう引き続き求めていきます。