堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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「健康で文化的な最低限度の生活」   柏木ハルコ著 小学館コミックス

市民と向き合う新採ケースワーカー描く(7月19日付)

 東京都東区役所に新採職員として入庁した「えみる」は、4月1日の辞令交付式で「生活課」に配属されます。まわりの新採職員は「2、3年の辛抱だよ」と言っています。生活保護について何も知らない「えみる」は不安な気持ちになります。…

 「健康で文化的な最低限度の生活」(柏木ハルコ 小学館コミックス 現在第6集まで刊行中)は新人生活保護ケースワーカーが、自分に務まるのだろうかと悩みながら、同期職員、先輩、上司、様々な市民と出会い、ケースワーカーとして経験を積んでいく姿を描いています。

 もちろんフィクションですので現実とは違う点もありますが、電話や窓口対応で忙殺される「えみる」の係の描写など現場をよく取材されており、共感できる場面も多くあります。

 この作品はコミック誌に連載されているため、予備知識のない読者に向けて生活保護についてもわかりやすく説明されていきます。印象的なのは、市民の表情が個性的に描かれていること、また生活保護ケースワーカー生活保護利用者も決して理想化されることなく、結論を急がない描き方にも好感が持てます。第7集は「子どもの貧困」がテーマで秋ごろ発売予定とのこと。

 また、この作品を原作としたテレビドラマが、吉岡里帆さん主演で関西テレビ火曜日21時から始まりました。

 ドラマを含めて、この作品が一人一人の市民と向き合う自治体労働者の姿に少しでも関心を持ってもらい、様々な意見が交わされるきっかけになればと思います。