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発端は安倍首相自身「裁量労働拡大」で政府説明が崩壊

3月1日付

働き方改革」に固執する安倍政権よる裁量労働制に関する労働時間データねつ造問題で、首相の説明が次々に破たんしています。

「データねつ造」

 1月29日衆院予算委員会で、厚生労働省が2013年に行った労働時間調査を基に「一般労働者より裁量労働制で働く人の労働時間が短い」と答弁、その後野党が根拠データへの疑義を追及、2月14日に答弁を撤回し、謝罪に追い込まれました。

 2月19日には厚労省が、首相答弁の根拠となった調査データを公表、一般労働者の労働時間が長くなるように「最長の残業時間」を使うなど「ねつ造」されていたことが判明しましたが、首相は「データの撤回ではなく、精査が必要なデータに基づいて行った答弁を撤回」と算定方法が異なるデータを比較したのは「不適切」だが、データそのものは問題ない、と強弁しました。しかしこれも6野党の厚労省ヒアリングで、新たに残業時間データ117件にのぼる誤りが発覚、その後も増え続け、2月27日現在360件を超えています。さらに厚労相が「なくなっている」と答弁していたデータの調査原票も本庁の地下倉庫から見つかりました。

 疑惑が深まる中、データの再調査を拒んできた首相は、1万件以上にもなる調査原票を「精査する」と言い出し、あげくに1年施行延期まで検討する事態に追い込まれています。

財界要求が最優先

 今回の労働時間データねつ造問題の背景には、裁量労働制の対象拡大ありきの安倍政権の姿勢があります。

 首相答弁の根拠となったデータが報告された厚労省労働政策審議会(2013年9月)直前の6月に閣議決定された日本再興戦略では、「企画業務型裁量労働制について早急に実態把握調査・分析を実施し、本年秋から労働政策審議会で検討開始」と決めました。また、同様に「規制改革実施計画」も閣議決定されました。

 都合の悪いデータは隠ぺいし、都合のいいデータだけを垂れ流す事態は、労働者・労働組合の反対を押し切って財界の要求通りの規制緩和を強行する安倍内閣の姿勢のもとで起きています。

 政府は、労働界はもちろん法曹界からも批判され、世論も圧倒的多数が「反対」(反対57%、賛成18%、毎日2月26日)となっている裁量労働拡大=「働き方改革」の国会提出を断念すべきです。