堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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人事院が国家公務員給与勧告 4年連続プラス勧告も生活改善ならず

俸給表631円(0.15%) 一時金0.1月分引き上げ(8月10日付)

人事院は8日、政府と国会に対して、国家公務員の給与に関する勧告及び公務員人事管理に関する報告を行いました。官民較差は、月例給、一時金ともに4年連続でプラスとなり、俸給表の水準は631円(0・15%)の改善、一時金0・1月分の改善を勧告しました。

 人事院は官民較差について、俸給表を改定して、初任給を1000円引き上げ、若年層についても同程度の改定を行い、その他は400円の引き上げを基本とし、すべての号俸を引き上げるとしました。このことは、再任用職員や非常勤職員の賃金水準、退職金にも波及し、私たちの要求を一定反映したものです。

 しかし、給与の改善額は、生活改善に遠く及ばない極めて低額であり、とりわけ「給与制度の総合的見直し」による現給保障を受ける職員の多くが、実際の支給額が改善されることなく、賃金が据え置かれたままとなってしまいます。

 一方で現給保障を廃止する原資を、霞が関の職員を対象とする「本府省業務調整手当」の引き上げに充てられることは、明らかな霞が関官僚の優遇にほかなりません。このことは全国で住民サービスの第一線で働く公務労働者に対する差別であり、到底認めることはできません。

 非常勤職員の勤勉手当支給を 各府省を指導

 また、人事院は非常勤職員に関して、勧告にともなう報告で「勤勉手当の支給に努めることを追加した指針に沿った改善が行われるよう各府省を指導する」としました。これは安倍首相自らが同一賃金同一労働を言わざるを得ない状況の中で、さらに正規職員との均等待遇に向けた処遇改善が急務であることを反映しています。

 再任用職員の処遇改善は見送り

 再任用職員に関しては、月例給・一時金ともに改善するとしたものの、組合が要求してきた生活関連手当等の支給や一時金支給月数の改善などには応えず、「民間企業の再雇用者の給与の動向、運用状況等を踏まえ、定年の引上げに向けた検討との整合性にも留意しながら、必要な検討」にとどめたことは、再任用職員の職務と生活の実態を顧みないものです。

 恒常的超過勤務解消には要員確保必要と指摘

 公務員人事管理に関する報告では、長時間労働の是正について、「マネジメントの強化や業務の合理化等を進めてもなお恒常的に長時間の超過勤務を行わざるを得ない場合には、業務量に応じた要員が確保される必要がある」との認識を示しました。また、政府が重い腰を上げて定年延長の検討を開始したことで「論点の整理を行うなど必要な検討を鋭意進める」とようやく前向きの姿勢が示されました。

 今、長時間労働の是正は公民の区別なく、日本社会全体で取り組むべき緊急課題となっており、そのためには正規職員の増員はもちろん、非正規職員の正規化や定年延長による高齢層職員の確保も有効な方策です。

 「普通に働き、普通に生活できる」職場を実現するため、公務と民間さらに市民運動とも共同を広げ、地域経済再生につながる公務職場の賃金・職場環境改善の運動に全力をあげましょう。