堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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残業時間(年720時間)の上限規制  年960時間可能の『抜け穴』の恐れ

健康に暮らせる『働くルール』の確立を(3月31日付)

 政府の働き方改革実現会議が3月28日最終会合を開き、「働き方改革実行計画」を決定しました。政府は、秋の臨時国会で関連法改正案の成立を目論んでいます。

 長時間労働の上限規制の内容は、原則として、月45時間、年360時間とし、違反には特例を除いて罰則を課すというものです。しかし特例を使えば最大『年960時間』が可能となるなど重大な問題が多くあります。

【特例】

 臨時的な事情がある場合、労使が合意すれば①年720時間以内が認められる。②繁忙期には、ひと月で100時間未満(休日を含む)③2~6か月の平均で月80時間以内(休日を含む)④月45時間を超える時間外労働は半年以内。

 繁忙期の特例である②月100時間未満と③80時間以内の基準には、休日労働が含まれますが、①年720時間以内の基準には、休日労働は含まれません。つまり、特例以外の6か月に休日労働をすれば、全ての月で80時間の労働が可能となり、実質の上限は、年960時間になります。  厚労省が出した「過労死等の労災補償状況」では、残業時間が月80時間を超えると脳・心臓疾患での死亡件数が極端に増えています。この点からも「働き方改革実行計画」が長時間労働を容認し、過労死を助長することになるのは明らかです。「働き方改革実行計画」に反対するとともに、労働者の健康を守る立場を取らない政府と経団連の姿勢に強く抗議をし、改悪を職場に持ち込ませず、まともな働くルールの確立にむけ、粘り強くたたかいを広げましょう。

 正規労働者の時間外勤務をなくせば約21万人の雇用創出ができます。大阪の正社員の平均残業時間は年間189.3時間。役員を除く正社員数は213.3万人。大阪の正社員の残業時間は4億377万時間となり、正社員の年間所定内労働時間1894時間で割ると、21万3187人の雇用増が見込まれます。(大阪労連・17大阪ビクトリーマップより)