扶養手当 取扱い各市で差
子→引上げ 配偶者→引下げ(9月23日付)
堺市職労は、今月下旬予定の人事委員会勧告に向け、連名要請書に取り組んできましたが、各政令市の人事委員会でも給与勧告が行われています。各勧告では、給料表、一時金、地域手当だけでなく扶養手当でも取扱いに差異が見られます。
月例給は微増、据置
21日現在、8市で行われた各市人事委員会による給与勧告では、月例給が給料表の引上げ4(札幌市、神戸市、北九州市、大阪市)、地域手当の引上げ1(さいたま市)、改定なし2(京都市、福岡市)、引下げ1(名古屋市)となりました。8月に行われた国家公務員に対する人事院勧告でもわずかながら引上げであったことを含め、やや引上げる市が多いものの、いずれも微増に留まっています。
堺市においては本年4月から「給与の総合的見直し」が行われた影響で給料表が平均1・5%、最高で3%程度引き下げられました。3月末時点での現給が保障されたものの、この4月に昇給された方については従来の昇給幅に達しない状況です。また、現給保障は3年間という期限付きのため、中にはその間での昇給で現給を超えず、減額になってしまう方もいるため、プラス改定が望まれます。
一時金は勤勉手当が増
一時金(特別給、ボーナス)については人事院勧告も、ほとんどの市勧告も0・1月増の4・3月(夏冬合算)となっています。しかし、いずれも勤勉手当への配分となっており、「増額は勤勉手当、減額は期末手当」という傾向が続いていることは、一時金全体を成果給に転換したい政府・当局側のねらいを第三者機関である人事院・人事委員会が勧告に反映したものと言わざるを得ません。
そして今回、人事院、各人事委員会で最も差異が出たのが「扶養手当」の取扱いです。
8月の人事院勧告では現行「(扶養親族、以下同じ)配偶者13,000円、子6,500円」を29年4月から「配偶者6,500円、子10,000円」に段階的に切り替える内容が出されました。
ほとんどの政令市で現行の扶養手当は国家公務員同様に配偶者が子の約2倍の支給額となっていますが、札幌市と名古屋市の2市だけが国と同様の取扱い、とりわけ札幌市は具体的な金額まで言及し、変更が勧告されました。 一方で他の6市は「他都市の動向を注視」「勘案」「調査・検討」「留意」など、具体的に踏み込んだ勧告には至っていません。人事院も名古屋市も「配偶者手当引下げを原資に子に係る手当引上げ」を強調していますが、引下げとなる職員の生活実態からすれば賃下げであり、安い労働力を動員したいという経済界の意向に沿ったものと言わざるを得ません。少子化対策として子の手当引上げは当然ですが、配偶者引下げはライフスタイルの選択を阻害しかねません。
私たちは、今月下旬予定の人事委員会勧告、引き続く秋季年末闘争における交渉での要求前進に向け、職場からの取組みをすすめます。