7月26日付
7月22日に政府が米軍普天間飛行場の移設問題で、名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事に対し、撤回を求める政府の是正指示に従わないのは違法だとの確認を求める訴訟を福岡高裁那覇支部に起こしたことに対し、全労連は事務局長談話を発表しました。
安倍政権は本日(7月22日)、名護市辺野古への米軍新基地建設にかかる埋め立て承認取り消しの撤回を求めた国の是正指示に沖縄県が従わないとして、福岡高裁那覇支部に提訴したが、断じて許されない。
全労連は、これまでの和解の経過やオール沖縄の民意を正面から踏みにじって、米軍と一体で基地強化を急ぐ安倍政権の強権的な手法に強く抗議する。
本件の埋め立て承認取り消しをめぐっては、本年1月29日に福岡高裁那覇支部が和解を勧告し、6月17日の国地方係争処理委員会の仲裁判断も「真摯な協議」を求める異例の展開となった。その背景には「辺野古新基地ノー」の沖縄の圧倒的な民意があり、このままでは泥沼の法廷闘争が延々と続くことになるという判断があったからである。
先の参議院選挙でも、オール沖縄の伊波洋一候補が現職大臣の与党候補に圧勝した。これで、衆参ともに、沖縄の選挙区には与党の国会議員はいなくなった。 翁長雄志沖縄県知事は昨日、「訴えが可能となる日を待っていたかのように、直ちに提訴の判断が示されたことは非常に残念だ」とコメントされたが、その通りである。安倍政権の姿勢には一分の理もない。直ちに提訴を取り下げ、「真摯な協議」の席に着くべきである。
安倍政権は同時に、参院選直後から東村高江への米軍ヘリパッド建設を再開するため、防衛省本省や全国からの応援を含め、建設予定地周辺に150人規模の防衛省職員を動員し、本日22日早朝からは機動隊員を大量投入して、ヘリパッド建設に抗議する地元村民やオール沖縄の支援者を暴力的に排除しており、極めて緊迫した情勢となっている。
沖縄の民意を踏みにじる極めて強権的な異常事態といわざるを得ないが、これら安倍政権の一連の動きは、安保法制(戦争法)強行後の「戦争する国づくり」の危険性を浮き彫りにするものである。 全労連は、辺野古への米軍新基地建設をはじめとした基地強化、戦争する国づくりの強権的な加速に断固反対し、オール沖縄のたたかいへの支援をいっそう強化する。この国の平和と民主主義をまもる極めて重要な課題として、全国各地で支援のとりくみを強めていく。そして、共同の力で辺野古新基地建設や米軍ヘリパッド建設などを必ず断念に追い込む決意である。
2016年7月22日
全国労働組合総連合
事務局長 井上 久