核兵器禁止条約いよいよ焦点に(7月14日付)
広島と長崎に原爆が投下され、間もなく71年を迎えます。今年も犠牲者を追悼する行事とともに、原水爆禁止世界大会が広島(国際会議8月2~4日、大会4~6日) 、長崎(大会8~9日)で開かれます。5月にオバマ大統領が原爆投下国の大統領として初めて被爆地・広島を訪問しました。多くの人々が「核兵器のない世界」への前進を期待しています。
本格的な議論が始まる
いま核兵器をめぐる国際的な焦点は、核兵器を禁止し、廃絶する核兵器禁止条約の実現です。この点では今年に入って、重要な発展がありました。核兵器禁止条約についての本格的な議論が、国連の中で始まったのです。
国連総会ではこの20年間、核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議が加盟国の7割を超える賛成で採択され続けてきました。ただ、核保有国が反対するなかで、具体的な内容についての議論はすすんでいません。非核保有国は昨年の国連総会で「核兵器のない世界」を実現する具体的な方法を議論する作業部会を提案し、約70カ国がスイスのジュネーブに集まり討論が開始されました。国連として初めて核兵器禁止条約を議論する、画期的な会議です。
広島を訪問したオバマ大統領は平和記念公園での演説で、「核を保有する国々は、勇気を持って恐怖の論理から逃れ、核兵器なき世界を追及しなければならない」とのべました。その言葉に誠実であるならば、核兵器で他国を脅す「核抑止力」論を放棄し、核兵器全面禁止・廃絶のための具体的な行動に足を踏み出すべきです。
被爆者の訴えにこたえて
4月発表された「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」が全国で取り組まれています。「核兵器を禁止して廃絶する条約を結ぶことを、すべての国に求め(る)」署名運動を国内外で大きく発展させるとともに、原水爆禁止世界大会を成功させることは、核兵器金条約への扉を開く重要な貢献となります。