堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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待機児童問題解消へ共に声を上げよう

4月22日付

忘れちゃならない保育の質

 「保育園探し=保活」については、多くの人から苦労談が聞かれます。「入園可能な保育園の情報はママ友にも秘密にする」という本音を漏らした国会議員もいました。このような「親たちに『イス取りゲーム』を強いる構造」(保育関係者)は、一刻も早く解消されなければなりませんが、国の対応は依然としてにぶいままです。

20万円に届かない月給

 「イス取りゲーム」が生じる理由は「保育士不足」。人手不足で、「受け皿」を拡大したくてもできない保育所が多いです。

 2001年に政府が打ち出した「待機児童ゼロ作戦」以降、国は規制緩和を推進してきました。保育士1人当たりの児童数はこの10年で増えたにもかかわらず、賃金は月額20万円に届きません。全産業平均に比べ約9万円も低く、保育士確保を困難にしているのです。

 保育士の有効求人倍率は2・44(2016年1月)と全産業平均のほぼ倍。募集しても人が集まらない状況が続いています。

「つめ込み保育」加速に悲鳴

 3月末には、「保育園落ちた」ブログへの反響の大きさに押された政府が保育士給与の「2%アップ」を「緊急対策」として発表しましたが、金額に直せばわずか4000円弱。野党4党が提出した保育士処遇改善法案の「5万円」に遠く届かない金額です。

 保育士の処遇改善なしには、待機児童問題は「解消」されない。それは保育関係者と待機児童の親たちとの共通理解となっています。

 それにもかかわらず政府の「緊急対策」には①小規模保育の受け入れ児童の3人増②地方自治体の「人員配置」の自主基準撤廃③「無資格者(幼稚園小学校の教諭)の導入―などが盛り込まれました。

 ここ10数年の規制緩和をさらに加速させる内容に「これ以上の『つめ込み保育』はもう限界」という悲鳴が上がっています。

認可外保育園の死亡事故は2倍

 厚労省統計では04年から14年の死亡事故で計160人の子どもが亡くなっています。そのうち「認可外」の死亡児童数は「認可」の2倍です。15年度の死亡事故は14件で、うち10件が認可外施設で発生しています。死亡児の年齢で一番多いのは0歳。定員枠が「認可」に比べ広く、面積基準も狭い「認可外」の「つめこみ保育」が背景にありそうです。

 子育てをしながら安心して働くためにも、保育士さんの処遇改善で待機児童問題解消にむけ共に声をあげましょう。