堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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前期人事評価分布示される

高評価が次期に結びつかない結果も

評価と賃金連動の是非は疑問

(12月16日付)

今月初旬、年末一時金の勤勉手当に反映される、H27年度前期人事評価の総計・局間別の評価分布が当局から示されました。

増額対象は9・5%

 課長補佐級以下の総計では増額対象となる「Ⅰ」評価が0・1%、「Ⅱ」が9・4%、標準となる「Ⅲ」が87・6%、減額対象の「Ⅳ」が2・8%、「Ⅴ」が0・1%でした。

 なお、課長補佐級以下では「増額者は各局10%以内」とされています。増額対象者が10%を超えた局・区役所(以下、「局等」)は6つあったため、「Ⅰ」「Ⅱ」の合計9・5%全員が増額とはなりません。

 また、H26年度後期の評価分布は「Ⅰ」0・1%、「Ⅱ」8・8%、「Ⅲ」87・8%、「Ⅳ」3・3%、「Ⅴ」0・1%未満であり、H26とH27の総計を比較すると、増額対象0・6%増、標準0・2%減、減額対象0・4%減と全体的には「増額対象が増え、減額対象が減った」といえます。

増額割合が減少する局

 一方で、局等の分布変動は決して画一的なものではありません。

 26年度後期の増額対象者割合が減少した局等の一例を見ると、27年度前期との変化は約20%→13%と約7%減、約13%(うち「Ⅰ」約1%含む)→約12%(「Ⅰ」なし)と1%減、約12%→約11%と1%減となっています。

 なお、26年度後期で増額対象者割合が10%を上回った8つの局等のうち、増額対象者割合が増加したのはわずかに2つ。単純に考えれば「今期で増額評価だったから次期もがんばろう」という意欲にはつながっていません。

 また「なぜ半年前の期間で高評価を得た職員が次期では標準になったのか」等、人事当局による検証が必要です。

各局バラつきが平準化

 一方で逆に平準化されたのが局等間の分布です。26年度後期は増額対象者の割合が、20%1、10%台7、9%台2、8%台2、7%台2、6%台2、5%台3、4%台2、最低が1%台でした。

 27年度前期では全体では増額対象者割合が増えた一方、最も高い局が約15%にとどまったのを含め、10%台の局等が6と10%以上が2減。また9%台5、8%台が7と平均的な割合の局等が増加。最低の局は4%台でした。

 組合は過去の交渉の際、「そもそも『絶対評価』の評価基準そのものが客観性を担保されているのかが疑問である」、「『局等間のバラつき』について、公平公正性が担保されておらず、一時金への反映を凍結すべき」と指摘しています。

 こうしたもと、26年度後期から27年度前期にかけて、人事評価の運用について、少なくとも被評価者に明確な制度変更が通知されていない中、これだけ平均化されたことは「人事当局が何らかの運用変更を行った」との疑問を持たざるを得ない結果であり、「当局の介入」につながる、非常に危うい運用であると言わざるをえません。

大阪市では「差額」大

 11日付本紙で紹介した大阪市で行われている「相対」人事評価では、課長代理級で最も高い「1」評価の平均支給額と最も低い「5」の評価の差額は約10万円と堺市の約5万円の約2倍です。

 この中には、「標準」評価であるにも関わらず、相対化により最下位区分とされ、増減額差が拡大された213人も含まれています。

 これでは、職場の連帯感を削ぐことはもちろん、市民の方を向いての仕事するよりも、管理職や人事当局の顔色を伺って仕事をする職員を生み出すことになりかねません。

公平・公正な制度を

 「公平・公正で、透明性・納得性の高い人事評価制度」は組合のみならず、堺市人事委員会報告でも指摘されてきた経緯があります。

 仮に人事当局側で、被評価者に開示していない運用があるならば、直ちに公開し、労使で話し合って職員がより理解し、納得できる、公平・公正な制度に改善すべきです。