堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

堺市職労(堺市職員労働組合)ブログです。

係長級昇任試験が通知される

合格率等、運用の改善を望む

副主査昇格でも大きな連動あり

(6月26日付)

 先日、今年度の係長級昇任試験が9月5日に行われることが通知されました。副主査制度とも大きく関連する制度ながら運用面で様々な課題があり、引き続き改善が求められます。

 係長級昇任1次試験は合格率が低く、H24年度から3年連続で対受験者ベースで14%台(約7人に1人)と、10人に1人も合格しない非常に狭き門です。

家庭に支障まで・・

 この合格率から多くの対象職員が試験勉強に時間を割いています。

 昨年末に青年部が行った要求アンケートで「現状の係長級1次試験からどんな状況が考えられますか?」という設問の最多回答が「試験勉強が家庭・プライベートに支障」41%、3位が「精神的負担」34%でした。「家に帰っても家事・育児を放棄して試験勉強をし、それで不合格になったら、本当に家族に申し訳ない」という切実な声も聞かれます。一方で「業務に役立つ知識が深まる」はわずか4%。試験の内容自体を疑問視する意見も少なからず見られます。なお、2位は「昇任の意欲が低下する」37%。

難易度が高過ぎて受験すらしない人も多く、特に女性では受験率が4割前後と、受けない人が多数派です。

合格率引上げを希望

 また別の設問「今後の試験の在り方について希望する項目は?」では「合格率を上げて欲しい」が43%、2位が「難易度を下げて欲しい」22%。逆に「合格率を下げて欲しい」はわずか3%です。

 当然ながら不合格者は翌年以降も受験することになるため、時間や精神的な負担は合格するまで続きます。

 H11年度の試験制度導入時から、組合は「通常の努力をしていれば合格できる制度」を一貫して求めてきました。しかし当局は、要員管理方針でポスト数削減を掲げた上で、そのポスト数に応じて登用するとしており、長期的に見ると合格率が低下しています。

3回ルールで再受験

 また、難関を突破し、1次合格しても「3回ルール」の壁があります。かつては1次合格すれば、以降2次試験が不合格でも1次試験は免除でしたが、H23年度から2次試験3回不合格の場合、1次から再受験となるルールが導入され、再び1次試験勉強を余儀なくされる人もいます。

 2次試験3度目受験者のみを見た場合、H25年度は不合格率59%、昨年度は61%と約6割が不合格です。2次試験は1次試験より合格率が高いとはいえ、全体で不合格率は7割前後であり、単純計算で約3人に1人は3年連続で不合格となります。

 合格率が低く、相当な勉強時間を割かなければ1次試験も合格できず、1度通っても再度受け直しの可能性もある係長級選考試験。しかし「受験しない」という選択も容易ではありません。

副主査昇格にも連動

 今年度4月の給料表改定により、行政職では2級(一般職)と3級の給料差が拡大。

 同時に創設された「副主査(3級)選考」では半年に1度の人事評価や選挙事務、国勢調査、研修等で合計30点(今年度は経過措置あり)を得る必要がありますが、そのほとんどは1点か2点加算です。そんな中で係長級1次試験合格は20点加算であり、かつ年度末年齢37歳以下では「係長級1次試験合格」が必須条件です。

 またこれまで2次試験合格後、最低5年間行政職3級在級が必要でしたが、合格後すぐに4級格付けとなり、係長級試験の重要性は増しています。

 H11年の試験導入から16年が経過していますが、まだまだ課題は山積しています。執行部は今後も組合員の意見を集約し、引き続き当局に試験の運用改善を求めます。