「対立」ではなく、「対話」が明日の大阪を作る
(5月19日付)
5月17日実施の大阪市「住民投票」(投票率66・83%)の結果について、私たち堺市職労が加入する大阪自治労連が参加する「明るい民主府政をつくる会」と「大阪市をよくする会」の事務局長連名で、次の文書が発表されましたので、掲載します。
政令指定都市である大阪市を廃止し、権限も財源も乏しい5つの特別区に分割するか否かが問われた「住民投票」が5月17日に実施され、反対が賛成を上回り、大阪市の廃止・分割は否決されました。昼夜を分かたぬ奮闘を続けてこられた「明るい会」「よくする会」の構成員のみなさん、連日のように支援に駆けつけてくださったみなさんに心からの感謝を申し上げます。
維新府市政の7年半の中で、福祉、教育、文化の切り捨てが進められてきました。また、地域経済は停滞し、雇用も失われてきました。そのもとで、住民の中に広がる「閉塞感」を逆手にとって、橋下・維新の会が「看板政策」と位置付けていたのが、「二重行政の解消」を掲げた大阪市廃止・分割構想でした。橋下・維新の会は、政党助成金4~5億円をつぎ込む物量作戦を展開し、壮大な幻想を振りまき、官邸に協力を要請するなど、なりふりかまわない戦略をすすめてきました。
それに対し両「会」は、①大阪市がなくなる、②くらしが壊される、③1人の指揮官でやりたい放題という本質を徹底して宣伝してきました。
同時に、橋下市長が今回の住民投票を「(憲法改悪の)予行演習」と位置付けたように、安倍政権が維新を「改憲」の協力者にしようとする中央政界の意図を示し、「大阪のことは大阪で決める」のが当然と広く呼びかけてきました。
これら両「会」とその構成団体が維新政治誕生以来、広範な運動を続けてきたことが共同の土台となったことは間違いありません。こうした主張が有権者に受け入れられたことを多くのみなさんと喜び合いたいと思います。
同時に、大阪市地域振興会、大阪市商店会総連盟等、多くの団体が相次いで「反対」を表明したことに現れているように、「大阪市をなくしたらアカン」の共同は日に日に広がりました。両「会」主催の「大阪市なくしたらあかん 4・28府民大集合」には自民党国会議員や竹山おさみ堺市長も参加いただき、連帯のあいさつをのべ、参加者を激励しました。
5月10日には、「大阪市をなくすな! 市民大集会&パレード」もその現れを内外に示すものになりました。
「自分も何かしたい」と、多くの市民が主体的に立ち上がったのも大きな特徴でした。「手作りのビラを作成し配布している」「マンションの居住者全員に配布したいので全世帯分のビラを送ってほしい」「自費で新聞に折り込むのでビラを取りに行く」など、行動に立ち上がった市民の姿が各地で見られました。
今回の住民投票は、高い投票率にも示されるように、大阪市の有権者が大阪の未来について真剣に考え抜き、下した結果です。また、「賛成」票を投じた市民も、「今の大阪をよりよくしたい」と願った上での投票であったと考えます。橋下・維新の会による「対立」ではなく、「対話」こそが明日の大阪を作り上げる原動力です。
私たちは、これまでの共同をさらに発展させ、みんなが住んでよかったと思える大阪を築くため、そして、市民の願いを受け止める政治を実現するために、引き続き奮闘します。