堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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男女平等度142カ国中104位

世界経済フォーラムが報告

均等待遇の実現と間接差別撤廃を

(12月4日付)

 世界経済フォーラムダボス会議)が発表した日本の男女平度(ジェンダーギャップ指数)の順位が世界147カ国中104位。G7中最下位でした。最も大きな原因は賃金格差です。

 働く女性の地位向上を目指す市民団体の「ワーキング・ウイメンズ・ネットワーク」(越堂静子代表)が、日本の男女格差指数が世界142カ国中104位だったことを受け、賃金格差や処遇差別、非正規労働など、働く女性の抱える問題を再確認し、世界へも発信することを目的に国際シンポジウムを11月24日に開催しました。

 男女の労働条件格差が大きい日本の現状について、OECD経済協力開発機構)のステファノ・スカルペッタ氏(雇用・労働および社会問題担当局長)が「格差を是正するには、仕事と家庭を両立できるよう職場の文化を変えることがカギになる」と講演しました。

 スカルペッタ氏は、日本の労働力人口が2025年までに500万人減少すると試算。「持続的な経済成長のためには、女性の就労率を上げていくとともに、その『質』を高めていくことが不可欠。日本の女性の教育水準は世界でもトップレベルだが、その能力が十分に生かされていない。多くの女性が出産を機にいったん職を離れて非正規労働者となり、それが処遇格差の大きな要因となっている」と指摘しています。

 この状態の是正のため、例えば①中間管理職が積極的に残業を切り上げる(長時間労働の抑制)、②父親の育児休業を積極的に評価し、男女とも育休後の正規雇用を保障する(キャリア形成)、③年功よりも実績で報酬を決める(仕事への正当な評価・均等待遇)といった対策を提案。

まず働く者守る規制を

 シンポジウムでは、ジャーナリストで和光大学教授の竹信三恵子氏がコメント。有期契約労働者の60%が、正社員と同じ職務内容にもかかわらず年収が200万円以下という政府のデータを示し、「日本はスキルや職務内容を評価する均等待遇の整備が全く不十分で、スカルペッタさんの提案を十分に生かす土壌がない。ヨーロッパでは常識である『均等待遇』と『労働時間の上限規制』に逆行するのが派遣法規制緩和と残業代ゼロ制度である。まず働く者を守る大事な規制への攻撃を押し返さなければならない」と強調しました。

間接差別も問題

 国際機関では、形の上では性による差別を含まない基準でも、一方の性に不利益な影響を与える行為をすべて「間接差別」として、違法な差別として禁止。ところが日本の男女雇用均等法(均等法)では、「間接差別」が放任されています。そのため、募集、採用、配置、昇進などで性別を理由にした差別的な取り扱いを禁じていても実態として差別が横行しています。雇用管理区分や雇用形態などの違いを利用した巧妙な差別があるからです。

 均等法にすべての「間接差別」を禁止することを明記する、権限のある救済組織を設置し、使用者に「差別をしていない」立証責任をもたせるなど、実効ある措置が必要です。

 堺市役所でも、この間、時間外勤務の縮減や出産育児にかかる休暇や保育所送迎等職免の整備などがすすめられてきましたが、人員体制が厳しい中、その実効性確保が課題となっています。また、非常勤職員や短期臨時職員の多数が女性です。

 女性の活躍が強調されていますが、国際的には「働く女性への差別是正、均等待遇実現」が求められています。