守ろう!安心・安全の地域医療
-病院職員、患者、住民とともに-
(11月22日付)
11月9日(土)・10日(日)、愛媛県松山市において、第16回自治体病院全国集会が開催され、全国から22都府県62組織164名が参加、堺市立病院機構労働組合(堺市職労病院支部)からも2名が参加して、全国の仲間とともに、学習と交流を深めました。
集会の始まりに、実行委員会事務局挨拶を自治労連福島副委員長が行い、愛媛県本部後藤委員長の歓迎あいさつ、日本医労連から吉村書記次長が連帯のあいさつを行ないました。
記念講演は、村口至氏(復興みやぎ県民支援センター代表世話人、元坂総合病院院長)が「自治体病院へ期待したいこと❘総務省改革ガイドラインを超えて」と題し行ないました。
このなかで「ガイドラインは医療をつぶすもの。地域医療の崩壊をますます進めるもの」として、ガイドライン後に外来患者、入院患者が減っている実態が示され、赤字を無くせという方針が、中小規模病院の診療所化や、大規模病院の運営形態の変更などにより、「患者が減る」という非常に危険な状況となっていると解説。
公立病院は、全病院数の8%程度であるが、へき地医療、感染症病床、災害拠点、小児・周産期医療など不採算と言われる医療を高い比率で担っているとのデータが示されました。
自治体病院は、「全ての住民から精神的に最も頼れる存在になりうる」、「自治体組織、行政の一環であることから地域の保健・医療・福祉の総合的情報が一括把握できる立場にある」として、今後、自治体病院と保健行政が地域医療計画をつくるべきと提言されました。
また東日本大震災では、生活保護者の死亡率が全体よりも相当高いことや、人権視点から見た避難所の問題点を指摘。保健師の増員と初期から福祉避難所が必要と強調しました。
最後にアベノミクスは“絆”を悪用し、自助・共助・公助、特に共助を強調し国の公的責任を放棄するものと厳しく非難されました。
基調報告を自治体病院闘争委員の増田自治労連医療部会副議長が行い、続いて特別報告を千葉県本部の長平特別執行委員、浜松医療センター労働組合の中村委員長、西条市立周桑病院労働組合の越智書記長、大田市立病院労組の大西さんの4名から、地域医療、組合活動、運営形態の変更、組合員拡大にたいしての報告がされました。
今回の集会の目的である①医療分野で憲法を守る共同を広げる②「こんな地域、こんな日本を作りたい」の提言運動を実践していく③医療を取り巻く情勢を共通の認識とし、全国の運動の教訓を学び合うの3点を参加者全員で確認し、実践していくことに確信を持った2日間となりました。
二日目は4つの分散会と講座を設け、それぞれテーマごとの討論を行いました。
第1分科会は、病床数で150床以上の病院と未満の病医院に分かれ「労働条件改善のとりくみ」を論議しました。
第2分科会の「仲間を増やすとりくみ」では、愛媛から「市立宇和島病院労組の歩みと要求実現・仲間を増やすとりくみ」と題した独自作成のDVDなどが上映されました。
第3分科会の「地域医療を守るとりくみ」では、9月に総務省が発表した「公立病院改革プラン実施状況等の調査結果」を参照しながら討論を行いました。 「労働安全衛生講座」では、助言者の愛媛民医連の坂本氏から安全衛生委員会について講演を受け、続いて愛媛から安全衛生委員会の実践報告がされました。
今回の自治体病院全国集会には、この間あらたに自治労連に加入された、大田市立病院(島根)、上田市立産婦人科病院(長野)、市立湖西病院(静岡)の仲間が参加されました。また、地域医療問題を取り上げたいと、愛媛新聞社が取材で集会に参加、翌日の紙面に集会模様が掲載されました。