堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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「堺平和のための戦争展二〇一二」で堺大空襲の絵を展示

職員支部・T氏

(8月21日付)

 8月4日(土)と5日(日)に、サンスクエア堺において「堺平和のための戦争展2012」が開かれ、堺市職労も最近発見された堺大空襲の絵など約30点を作品展示しました。

 これらの作品を描いたのは、陸野由松(くがのよしまつ)さんという人です。陸野さんは、一九〇二年(明治三五)に泉北郡神石村(現在の堺市堺区石津町)で、石津神社の宮司の家に生まれました。二〇歳で陸軍の信太山駐屯地へ入隊。その後再び召集され、日中戦争(一九三七年~)が始まると、旧満州に従軍しました。その後、堺市内の西湊町に住んでいましたが、大阪府より「堺北防空救護団」の任命を受け、一九四五年七月十日未明の堺大空襲時には、救護隊員として炎に包まれた市街地に出動し、被害者の救護にあたりました。その凄惨な現場を見た陸野さんが、後世に伝えようと記録のため描いた水彩画を中心に今回展示しました。

 絵の左には短い文章が加えられ、体がバラバラに吹き飛ぶ様子や、焼け残った家に対し妬みの言葉を投げつける住民など、戦争の姿をリアリズムの観点で描いています。現在の私たちに目をそむけることを許さない凄さを感じさせる絵の数々です。陸野さんは戦後も堺市内の身辺の風景などを独自のタッチで描き続け、一九八五年に八三歳で亡くなりました。

 最近になって、次男の周治さんが父の遺品の中から堺空襲などの絵を見つけられ、今回の「堺平和のための戦争展」の趣旨に賛同いただき、特別に展示のために作品をご提供いただきました。

 市職労では、今後もこうした機会に、戦争の悲惨さを伝える記録を掘り起こしていく取り組みに参加していきたいと思います。